神社にまめに参拝する女子を「社ガール」と言うそうです。
そんな社ガールに人気の神社で、象徴とも言えるのが伊勢神宮。
2000年という遠い昔から三重県伊勢市に鎮座する神社で、日本全国の神社のトップ。そう、神社オブ神社です。それゆえ、正式名称は地名も何もつかない「神宮」です。八百万の神々の最高神であり、天皇の祖先である天照大御神を御祭神とする「内宮(ないくう)」と、豊受大御神を祀る「外宮(げくう)」の2つを中心に、その数125社から成ります。伊勢神宮には式年遷宮といって、新しく社殿を新築し、神様にお引っ越しをして頂く大プロジェクトが20年毎に行われますが、それが去年の10月でした。出雲大社の遷宮(60年に一度)とも重なり、とてもレアな年だったのです。式年遷宮は、神宮を神道の「常若(とこわか)」の精神に則り常に美しく清浄に保つことと、宮大工の伝統技術を次世代に継承する意味もあり、なんと1300年にわたって続けられてきた儀式です。
直前まで土砂降りだったのに着いた途端晴れた!
というわけで、社ガールを代表して筆者・吉田が行って参りました。
知ると参拝が楽しくなる5つのポイントをご紹介します。
1.参拝は朝行こう!
お昼前には団体の参拝客が到着します。それを見越して早めのスケジュールを立てましょう。
オススメなのは、人がまばらな朝5時の「早朝参拝」。朝のすがすがしく清浄なパワーが満ちた時間は、穏やかな気分で参拝できます。内宮近くの宿泊施設「神宮会館」(伊勢神宮崇敬会運営)には、早朝参拝ツアーも用意されているのでチェックしましょう。
2.特別参拝をしてみよう!
通常、一般参拝者が入ることを許されていない本殿の御垣内(玉垣内)にて参拝することができます。「御垣内参拝(特別参拝または正式参拝)」といいますが、これは、神楽殿横の受付所で遷宮への奉賛金(1000円以上)を納めることで参宮章が授けられ、納めた奉賛金への神宮からの御礼として、(内宮、外宮とも)御垣内に案内していただけるものです。
これが参宮章。奉賛金の金額により区分が決まっており、参拝が許される位置と期間、授与される記念品が違う。
ちなみに、外からの通常の参拝は「観光参拝」と呼ばれます。また、ご祈祷は参拝とは別で、祝詞(お願いごと)を奏上する「御饌(みけ)」が神宮での一般的なご祈祷にあたります。ご祈祷には、舞や舞楽が捧げられる「御神楽」、「大々神楽(だいだいかぐら)」などがあります。
3.参拝用の服を持参しよう!
ここで注意するのが服装。本来禁じられている御垣内に入るのですから、当然正装が求められます。男性は、黒および紺色のスーツでネクタイ着用。女性はそれに準ずる服装。ライトグレーのスーツはNGだったなんて噂もあり、御垣内に入らせて頂けるか否かは、神職の方の裁量によります。私が神職の方に尋ねた際は、外宮より内宮がより厳しいそう。
女性は、肩やつま先を出した服装はNGでした。そんなことはつゆ知らず、「きれいめの格好」は一応意識し、白の首の詰まったノースリーブトップス、黒のミモレ丈(ヒザ下)のプリーツスカート、オープントゥのパンプスを選んだ筆者。見事入り口で、入るに不適との判断が下されました。ジャケットを借りることで、外宮はなんとか入れてもらえましたが、神職の方からは「内宮には入れないでしょう」とのお言葉が。
東京からここまで来ては帰れない!と焦った私は、現地(外宮近くの洋品店)で急遽黒のボレロとフラットシューズを購入。内宮の神官からは特に何も言われず御垣内に入れてもらえ、参拝することができました。
判断される神職の方にもよりますが、私の場合、少しでもつま先が見えるのはダメ。小石が敷き詰められているのでヒールも避けたほうが無難だと感じました。 そこで、清浄な印象の白いコットンのシューズを急遽購入。別の店で購入したボレロは半袖でしたがOKでした。
いざ、御垣内に入る時、まずは(家族なら代表者が)在住都府県、氏名を記帳します。次に、神職の方より塩で浄めて頂きます。その後、御垣内に入ります。やや大きめの小石が敷き詰められているので、ヒールは適しません。この日はお盆で朝からたくさんの人が参拝していたにもかかわらず、1歩御垣内に入ると、しんと静寂が訪れ驚きました。神職の方に導かれ、鳥居の前に。ここで二拝二拍手一拝し、(心の中で)住所・氏名をお伝えして自己紹介し、感謝の言葉を述べます。
実際御垣内に参拝してみて感じたのは、「すべてお見通し」ということでした。未熟者の自分が神様の御前(みまえ)に見える(まみえる)ことに、ただただ畏れ多いと感じていました。
そして同時に深く感激もしておりました。
より、神様に近い場所での二拝二拍手一拝。身が引き締まりますよ。
ちなみに、このように外宮、内宮の順に参拝するのが「お伊勢参り」。片方だけ参拝するのは片参りと言われ、よしとされませんのでご注意を。
4.お願いごとがあるなら荒祭宮、多賀宮で祈ろう
基本的に神社は神様に感謝を伝える場所。国の安寧は祈っても、個人的なお願いは控えておくべし。個人的なお願いがしたいなら、内宮の敷地内にある荒祭宮、外宮の敷地内にある多賀宮で祈ると叶いやすいと言われています。
5.土地のものを食べて、おみやげを買ってパワーを持ち帰ろう
社ガールなら見逃せない、お守りや置物などの神社グッズ。これは、外宮・内宮の神楽殿で授与されるほか、参集殿(休憩所)でも販売されています。(神宮会館サイト参照)
御札やお守りのほか、十二支の置物や、陶器で出来た神馬の置物、お神酒や神盃など、意外とバラエティ豊かです。
参拝時間にもよりますが、昼食は「おかげ横丁」はじめ内宮周辺が大変混雑するため、外宮周辺で済ませておくといいかも。伊勢うどんはもちろん、豚捨の牛丼も人気の高い昼食メニューです。
牛のたれが甘辛いしっかりした味付けでご飯がすすむ。コロッケはソースなしでも美味しい!
参拝後、内宮周辺でちょっとお茶をしたい時はおかげ横丁へ。夏なら、有名な赤福氷のほか、トライしてほしいのが田舎氷。内宮そばの茶房山中の人気メニューで、ふっわふわのかき氷にきなこと黒蜜がかかったもの。得も言われぬ美味しさでした。
このお店には、神宮へ献上している塩も販売していました。
カップルは伊勢志摩スペイン村、子連れは鳥羽水族館など、神宮周辺には見どころもたくさん。
さあ今年こそ、お伊勢参りへ行きましょう!
(文:吉田瑞穂)