SMAP木村拓哉主演のドラマ『HERO』(フジテレビ系、毎週月曜21時〜)の5話(8月11日放送)の視聴率は21.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区。以下同)でした。
4話の18.7%から再び20%台の大台に乗せました。
果たして、本日放送される6話の視聴率はどうなるのでしょうか?
5話までの平均視聴率は21.1%と、今期ドラマでトップを独走中です。6話にもなれば視聴習慣が根付いているので、今後大幅に下落することはないでしょう。
テレビの視聴率を考える際、裏番組は当然ながら重要です。また、裏番組に何を当ててくるかで、その局の思惑が見て取れます。
6話も、裏番組にライバルと言えるほどのコンテンツがありません。少し前までなら、“視聴率男”の異名を取る池上彰の『ここがポイント!!池上彰解説塾』(テレビ朝日系)が強力と言えました。しかし、4月から始まった同番組はさほど数字を取れていません。1ケタに終わることもあります。加えて、この番組は『HERO』と視聴者層が被らないのも、ポイントです。同じことは、TBSの月曜ゴールデン『女取調官3』(主演・賀来千香子)にも言えるでしょう。年配の方をターゲットにした2時間ドラマです。
視聴率絶好調の日本テレビは、何を持ってくるのでしょうか。
5話の視聴率予想時に指摘したように、日テレは『HERO』の4話までに、スペシャル番組を並べてきました。その攻勢を『HERO』は乗り切り、日テレが通常番組に戻した5話で、視聴率21%と大台に返り咲きを果たしました。
本日6話の裏番組に日テレは、『しゃべくり007×人生が変わる1分間の深イイ話 合体スペシャル』を配置しています。しかし、特に2つの番組がコラボレーションするわけでもなく、実質は『深イイ話』の通常放送と変わらないようです。『深イイ話』は2ケタ前半の視聴率であり、『HERO』の脅威にはならないでしょう。
穿った見方をすれば、通常放送の2番組を『合体スペシャル』と題する日テレは、『HERO』に白旗を揚げたとも捉えられるほどです。
どういうことか。
ここ数年、テレビ界では長時間のスペシャル番組が連発されています。短時間の番組よりも、長時間のほうが数字を取れるのです。
この作戦は、裏に強力な番組が出現したときにも効果があります。『合体スペシャル』とすれば、1つの番組として視聴率が算出されます。仮に『深イイ話』の数字が悪くても、『しゃべくり007』でカバーできる。要するに、『深イイ話』の苦戦が予想されるために、『合体スペシャル』にして、数字を整えに走った。そう考えられるのです。
実は、1話のときも、日テレは似たような作戦を取ってきました。
以下が、『HERO』1話〜4話における、日テレの裏番組です。
7月14日『有吉ゼミ×深イイ話合体4時間SP』(19時から4時間SP)
21日『はじめてのおつかい!!夏の大冒険スペシャル』(19時から3時間SP)
28日『エンタの神様』(21時から2時間SP)
8月4日 『うわっ!ダマされた大賞2014夏3時間SP』(19時から3時間SP)
かつて30%超えを連発した『HERO』が13年ぶりに帰ってくる。初回は間違いなく高視聴率を叩き出すだろう。そう読んだためか、1話は本日6話と似たような『有吉ゼミ×深イイ話合体4時間SP』を持ってきていました。ただし、これは、番組自体は分離しているとはいえ、ともに坂上忍をメインに据え、番組またぎでも坂上でつないでいます。そして、21時台は『深イイ話』の2時間スペシャルを放送しており、「なんとか『HERO』の出鼻を挫こう」という姿勢が見て取れます。
しかし、前述したように、6話の裏番組『しゃべくり007×人生が変わる1分間の深イイ話 合体スペシャル』は通常番組をスペシャルの体に変えたものです。ゲストを見ても、両番組の関連性は見受けられません。『HERO』1話〜4話で日テレがぶつけてきたスペシャルとは、まるで性質が異なります。
現在、視聴率絶好調の日テレが、攻めの姿勢から守りの姿勢になった。
ライバルのいなくなった『HERO』。第6話の視聴率は、5話と同程度(微増)で、20%台をキープすると読みます。