昨年夏から一大ブームとなっているタピオカ。まもなく1年となる今も、その勢いは衰えません。
海外から専門店が続々と進出し、国内でも新しい店が乱立。さらにはこれまでタピオカを取り扱ってこなかったスイーツショップや個人店もこぞってオリジナルのタピオカドリンクを出し始め、テレビやネットでは毎日タピオカタピオカタピオカタピオカ……。
どうしてそこまで人々の心を掴んだのでしょう?
「インスタ映え」だけに収まらない、ブームの理由を考えてみました!
シンプルな色味が汎用性バツグン!
とはいえまずは「映え」の話。
インスタ映えには、“シンプル映え”と“派手映え”があります。そのポイントをまとめてみました。
シンプル映え
・画面の中で大きく色を使う
・メインはグレイッシュカラーや淡い色
・パキッとした濃い色を差し色として加える
派手映え
・画面いっぱいに細かく色を散りばめる
・鮮やかな色をたくさんつかう
・写っているものの大きさでメリハリをつける
シンプル/派手といっても使っている色数はどちらも3~5色程度。それより少なすぎても寂しいし、多すぎるとゴチャゴチャしてしまいます。
この観点でいえば、タピオカミルクティーはブラウン✕黒の同じ系統2色の組み合わせ。だから背景によってシンプル映えにも派手映えにも転べるのです!
▲シンプル映えタピオカ。ブラックタピオカが差し色になるのでぼやっとしすぎず、しっかり目に入ってきます!
▲派手映えタピオカ。メインで写したいタピオカミルクティーがシンプルな色味だから背景が街並みでもゴチャゴチャせずしっかり映えます
こと昨今のトレンドでは、メイクにしてもライフスタイルにしても、ナチュラルがもてはやされる時代。
飾りすぎず、ちょっと気が抜けてるくらいのシンプルさが今いちばん可愛いのです。だから「#タピオカ」にシンプル映え写真が多く、また専門店の内装もシンプルなものが多いのでしょうね。
最後までずっとかわいい!
もちろん台湾スイーツ以外にも映えスイーツは数多あります。生クリームを使ったもの、アイス、わたあめなど、若い世代であれば想像に難くありません。しかし、これらにはすべて溶けやすいという弱点が……!
数年前も、インスタ映えすると大人気のアイスショップで食べ残されたコーンが大量にゴミ箱に捨てられているショッキングな画像が出回り、それ以降もインスタ映えと食べ残し問題は度々取り沙汰されます。
食べ残さずとも、高温多湿の日本の夏でこの手のスイーツは時間との戦い!
店員さんから受け取って、写真を撮って、食べ終わる頃には見るも無残……。手がベトベトしてきたあたりからテンションはダダ下がりです。誰もが1度は経験したことがあるのではないでしょうか。
その点、いつまでも形を保ってくれるタピオカ、スプーンを入れてもずっとキレイなかき氷やゼリーなど、台湾スイーツの多くは最後までテンションを上げたまま保ってくれます! いい思い出しか残らないから、「もう1回飲みたい!」となるのでしょう。
台湾スイーツは日本で愛されてきた味覚に近い
しかし、インスタ映えと可愛さだけでこんなに長いブームになるでしょうか?
何度も並んで買って飲みたくなるのは、やっぱり美味しいから! これに限りますよね。
「タピオカって何でできてるの?」
「芋の粉らしい」
そんな会話を今年に入って何度したでしょうか。
濃厚で甘いミルクティーの中に入っているから美味しく感じるものの、タピオカ自体はほぼ無味無臭か、ほんのり甘い程度。しかし、だからこそ合わせる飲み物の味を邪魔せず、モチモチした食感で口の中を楽しませてくれるのです。
……あれ? これってお餅や白玉に似てませんか?
以下で紹介する台湾スイーツも、日本で昔から愛されてきた和菓子に似た、自然由来のさっぱりさや優しい甘さが特徴です。
ご近所の国だからこそ、おいしいポイントも近いのかもしれません。
ポストタピオカはどれ!?じわじわキてる台湾スイーツを紹介
さて、ここまでタピオカミルクティーを切り口に台湾スイーツが日本で大ウケする理由を探ってきました。
ここからは次の覇権を狙って日本でじわじわ増えている台湾スイーツを紹介します!
チーズティー
巷でタピオカと取って代わる日がもっとも近いと言われているのがチーズティー。ミルクティーはもちろんストレートティー、烏龍茶の上にほんのり塩味が効いたチーズクリームが乗っかっています。
筆者が飲んだcomma teaの「commaブレンドストレートティー」は、甘さ控えめ(600円)。チーズ→ティーの順に吸い込むと口の中はあら不思議。チーズケーキと紅茶を一度に味わった感じでした!
星空ドリンク
台湾名産の青いお茶・バタフライピーを使ったフレーバージュース。酸っぱいものを加えると、ピンク色に変化するのでインスタ映えもバツグン!
人気の細長いボトルに入ったものは日本未上陸のお店なので、台湾旅行の定番スポットになっています!
ベリーやグアバ、ドラゴンフルーツなど南国のフルーツジュースとバタフライピーが層になったさっぱり甘いドリンク(1本80台湾元前後 日本円にして250~300円くらい)。組み合わせによって味が全然違うそうなので、お好みを見つけてみて!
日本で体験するには?
日本にいるけど今すぐ飲んでみたいなら、いまや全国に拡大している「THE ALLEY」のオーロラドリンク。アントシアニンが含まれているため美容にも良いと言われる青いお茶をお試しあれ!
豆花(トウファ)
豆乳ゼリー(豆腐ではない)と芋餅やタピオカ、フルーツを盛り合わせ、シロップをかけた屋台スイーツ。日本にも専門店がいくつかあり、中でも新宿の「騒豆花」はインスタ映えもしっかり押さえた「フルーツ豆花」(イチゴ 1,340円)が大人気です。
自宅でも手軽に食べられる!
流行の海外のスイーツを手軽に試せるでおなじみの「KALDI」では、冷やして盛り付けるだけで食べられる豆花もあります。筆者も試してみました!
付属の黒蜜をかけて食べると、豆乳の味と相まってまるで信玄餅を食べているようでした! さらにクコの実を加えてみると、また違う味に。今度はいろいろ乗せて食べてみたいと思います!
これからも台湾スイーツから目が離せない!
昨今では珍しいくらい長いブームのタピオカ。でも幾多の流行の波を乗り越えて、リバイバルという形でジワジワと爆発へ向かっていきました。今回紹介した中にも頭ひとつ抜けてくるものはあるのか!? 今から楽しみですね!
(文:たなかもみこ)