『笑点』テレビ欄を“歌丸推し”にすると視聴率アップの怪

5月に放送48周年を迎え、49年目に突入した『笑点』(日本テレビ系)。日曜の夕暮れ時に欠かせない番組であり、今でも週間視聴率ランキングで、毎週のようにトップ争いを演じ、今年も平均視聴率16.5%(7月13日現在)と高い数字を保っている。

だが、司会の桂歌丸が入院し、画面に姿を現していなかった5月に大ピンチを迎えていた。5月11日から4週にわたり、歌丸が欠席すると、18日には10.5%(司会・三遊亭好楽)、25日には12.4%(司会・三遊亭小遊三)と、『笑点』とは思えない低視聴率に陥ってしまったのだ。

昔から奇数月は視聴率を2ケタ獲るNHKの大相撲中継と被るため、『笑点』の数字は下降気味になる。5月18日は中日(8日目)、25日は千秋楽のために、下がったという見方もできる。

だが、大相撲のあった1月を振り返ると、15.7%、16%、17.3%で平均程度の数字をマークしているし、3月も13.7%、15.5%、15.7%(ともに大相撲初日、8日目、千秋楽の順)と目立って悪くなっているわけでもない。

やはり、歌丸は『笑点』に不可欠な“絶対的エース”なのだ。

このことは、何よりもスタッフがよく知っている。

その証拠に、視聴者が番組を観るかどうか決める上で、重要な要素となる番組紹介欄(テレビ欄)に、歌丸の名前をこれでもかとばかりに出現させているのだ。

歌丸が復帰した6月8日、新聞のテレビ欄には「歌丸生きてた ついに復活 入院落語」の文字が躍った。すると、視聴率は18.9%にまで回復。週間バラエティ部門で3位を獲得した。やはり、視聴者は歌丸を待っていたのだ。

これを機に、テレビ欄における“歌丸推し”が加速する。

翌週の15日には「歌丸が暴走 史上初アノ座布団が…」で15.8%と安定した結果を残すと、22日には「ありのまま 歌丸の 見せるのヨー」と今流行の『アナと雪の女王』の歌詞と歌丸を無理矢理に混ぜ合わせる荒技に。その効果があったのかは不明だが、16.8%と前週以上の成績を残した(3月30日「消費税対策 山田隆夫をリストラ」の16.7%より上である)。

 

この程度の“歌丸推し”に驚いてはいけない。

6月29日には、「歌丸地元ロケ 素顔&私服が見られる」と完全な歌丸頼みの番組が放送される。すると、19.9%を叩き出し、週間視聴率ランキングのバラエティ部門で1位に輝いたのだ。

バラエティにしろ、ドキュメンタリーにしろ、テレビ番組は『いつもと違う姿を撮れれば、数字が上がる』という定説がある。我々は、緑の色紋付を着ている歌丸しか知らない。あまりにも当たり前すぎて疑問に思うこともないほどに、『歌丸=緑』『緑=歌丸』というイメージが定着していた。だからこそ、歌丸の私服姿は、とてつもなく価値の高いものになっていたのだ。

翌週の7月6日は「おバカ絵描き パラパラ鉄拳 木久扇」で16.1%、大相撲名古屋場所が初日を迎えた13日は「歌丸健康!! 木久扇つい…朝帰り!?」で14.5%と徐々に下降。ここ2週は、林家木久扇をテレビ欄のメインに据えたが、歌丸ほどの数字は残せなかった。

今年一番となる22.5%を弾き出した2月2日は、「歌丸怒り節分 円楽1人で大喜利」とテレビ欄に掲載された。“歌丸怒り節分”というよくわからない6文字が視聴者の興味を惹いたのかもしれない。

20日、『笑点』のテレビ欄は、歌丸を全面に押し出した文言で、視聴率上昇を狙ってくるはずだ。

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