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隙のあるヒロインを好きになる!? 今見逃せない『春のヒロインドラマ』 ベスト3・ワースト1

平岡 サヤ

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平岡 サヤ

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春のドラマが始まって約一か月。そろそろどのドラマを見るか定まってきた頃でしょうか。テレビドラマの世界にどっぷりハマって十年、現在21歳大学生の私もいくつか楽しみな作品が見つかりました。

 私は過去のドラマ作品を見返すことが好きなのですが、先日ちょっとした発見がありました。2007年に放送されていた「ホタルノヒカリ」を見ていた時のことです。

放送当時、私は中学三年生の15歳。ヒロイン・蛍の姿を見て、「大人になったらこんな仕事をしてみたい!」と夢を描いたことを覚えています。蛍を通して見る世界は、きらめきで溢れていたのです。

しかし21歳の私は少し違いました。仕事に奮闘する蛍を見ながら「がんばれ!負けるな!」と、応援モード。ヒロインに憧れるというより、近くの友人を見守るような気持ちでいました。アルバイトや就職活動で、ほんの少しだけ、社会での経験を得たからかもしれません。同じ作品でも、同じヒロインでも、その時の自分が違えば全く違う気持ちになるんですね。

今回はそんな大学生の私の目線から、『ヒロイン』に注目して今期のドラマを紹介しようと思います。その際に「毎週見たい!」と思える順にランク付けをしてみました。一つの指標としてご参照ください。

 

第三位「続・最後から二番目の恋」(木曜22時~・フジテレビ系)

「大人の恋なんてわからないだろうなー」

この作品は2012年に放送された「最後から二番目の恋」の続篇です。実は私、前作は見ていません。今回も母親が見る時にたまたま居合わせた、という受動的な始まりでした。大人の恋を描く物語に、最初はかなり他人事で見始めましたが、すぐに2年前の自分を悔いることになります。

…….驚きでした。想像を大きく超える面白さだったのです。目が離せなかったのは、朝食のシーン。そうそうたる顔ぶれの役者たちが食卓に集まってきます。そこで繰り広げられるのは、アドリブを交えたコミカルな掛け合い! 登場するキャラクターは超がつくほど個性的なのですが、それぞれが生き生きと暮らしていて、「鎌倉に行ったらこの人たちに会えるんじゃないか」という気さえしてきます。

そして最も惹かれたのが、小泉今日子さん演じるヒロインです。ヒロインと呼ぶのは少し失礼かもしれませんが、やはり小泉今日子さんにはヒロイン要素が詰まっているのでそう呼ばせて下さい! 気前が良くて仕事ができる女性だけど実は過去の恋愛を引きずっている、という可愛らしい二面性を持つキャラクターを、さらに輝かせてしまう小泉今日子さん。魅力的なヒロインの姿にも、作品が続いている理由がありそうですね。

 

第二位「花咲舞が黙ってない」(水曜22時~・日本テレビ系)

「社会は厳しい」

就職活動中の友人に会うと、皆口を揃えてそう言います。目を合わせない面接官、いつ来るかわからない非通知着信、次々と舞い込む“お祈り”メール……。社会の入り口がこんなにも厳しいのだから、きっとその先にはもっと大変なことが待っているはず。毎日不安な気持ちが募ります。

ドラマ「花咲舞が黙ってない」の世界も、理不尽な出来事の連続です。ですが不思議なことに、このドラマを見るとわたしたちの不安は少しずつ和らいでいきます。ドキドキハラハラしながら、最後にはビシッと力強い台詞を決めてくれるヒロイン。その姿を見ると、「厳しい社会でも頑張れるかもしれない…!」と、前向きな気持ちが生まれてくるのです。

ドラマのエンディングに流れるのは、西野カナの応援ソング「We Don’t Stop」。私はそこで毎回ハッとします。この物語自体が女性への“エール”なのではないか、と。少し大げさかもしれませんが、この作品は一時間を通して奏でる応援歌のよう。そっと背中を押してくれます。

そして注目すべきはプロデューサーの加藤正俊さん。「ごくせん」シリーズの仲間由紀恵さんや「働きマン」の菅野美穂さんなど、テレビドラマ界のヒロインを抜擢してきたプロデューサーです。これまでも多くの作品に出演してきた杏さんですが、このドラマを機に“ヒロイン”としての存在感が大きくなる予感。ニューヒロインの誕生は見逃せません。

第一位「ファーストクラス」(金曜11時10分~・フジテレビ系)

「あなたの味方は自分だけ」

「ここには仲間はいないわよ」

棘のある言葉が続々とヒロイン・ちなみに降りかかってくる、恐ろしくスリリングなドラマ「ファーストクラス」。女同士の争いには断固関わりたくない派なので、このような類のドラマは苦手でした。しかし周囲の評判が良かったので、第一話を貸してもらって見始めたところ、みるみるその世界にハマっていくことに……!

まず、キャスティングが素晴らしいです。女社会の荒波に揉まれるヒロインは沢尻エリカさん。その周りには板谷由美さん、三浦理恵子さん、佐々木希さん、菜々緒さんなど、強いイメージの女性が並びます。皆さんハマり役で、とにかく怖い。ファッション業界のシビアな部分を描いているドラマですが、上に立つために他人を蹴落とそうとする彼女たちの駆け引きは見ていてゾっとするほど……。久しぶりにドラマを見て息が止まりそうになりました。

そして、主演の沢尻エリカさんの演技は改めて「凄い」と感じます。ヒロインが抱く小さな心情の変化もジンジン伝わってくるので、この子を応援しなきゃ!という気持ちにさせられます。階段を駆け上がっていく姿をこの目で見たい…、とヒロインのファンと化している自分がいるのです。女優・沢尻エリカの引き付けるパワーを目の当たりにしています。

時間が過ぎても胸がざわざわしてしまい、続きが気になる中毒性は、これぞ連続ドラマという印象です。あまりにもドロドロしているので、このドラマを勧める自分の人間性が心配になりますが、やはり面白いものは面白い! 最も「毎週見たい」という気持ちが強い作品なので、一位にしました。

最後に、ワースト1位を紹介します。好きな方がいたらごめんなさい……。

 

ワースト1位「極悪がんぼ」(月曜9時~・フジテレビ系)

「次の月9は裏社会がテーマです」

そのニュースを見た時、私はぞっとしました。いやいやちょっとまて、と。社会派ドラマが主流になりつつある日本のテレビドラマ界。その中で誇り高く“キラキラ感”を醸し出していた月9がついに終わってしまうの……?「リッチマン・プアウーマン」「ブザー・ビート」など、時代性のあるラブストーリーを長く描いてきた月曜9時のドラマ枠は、私にとってときめき供給源のような存在でした。その供給が止まってしまうショックは大きい。

そんな気持ちで恐る恐る見始めた「極悪がんぼ」ですが、冒頭からヒロインが詐欺を犯した彼氏を殴り蹴るというシーン。その後も乱暴な場面が続くストーリーは、従来の“月9”とはかけ離れたものでした。でもこの先に何かあるのかもしれない!と見続けましたが、最後まで魅力を見出せずに終了。ドラマを楽しめなかったのは、ダメ男に振り回され続けるヒロインに感情移入できなかったということもあります。(どこまでもダメな三浦翔平くんはとっても素晴らしかったのですが!)過去の月9作品に思いを馳せながら、わたしはそっと番組予約リストから「極悪がんぼ」を消しました。

 

 

■誰だって“愛されヒロイン”になれる!

やはりドラマがある生活は楽しいです。笑ったり、泣いたり、普段抱かないような気持ちもドラマの中だと感じられる。共感できるヒロインがいれば、なおさらです。ベスト3にあげたヒロインは、それぞれ“ついつい応援したくなってしまう”要素があります。完璧な女性よりも、どこか足りない部分があって奮闘している女性の方が魅力的に映るのかもしれません。

現実世界でも同じです。綺麗なのにあっけらかんとしていたり、賢くて優秀なのによくふざけたり、そんなカンペキじゃない側面を見せることができる女性は、どこへ行っても愛されますよね。

私の周りでも、飾らず自分をさらけ出せる女の子たちはとっても人気です。同じ大学の、男女問わず好かれている友人もその一人です。彼女はキャンパス内でも目立つほどの美人なのですが、寝坊が多いので毎朝スニーカーを履き、教室に入ってくる時は猛ダッシュ。「ギリギリだよー!」と笑う仲間たちにテレ笑いをする彼女は、その瞬間、みんなが見守るヒロインとなっているのです。

ドラマの世界でも私たちの日常でも、応援したくなる隙(すき)があると愛される。そう思うと、誰もがヒロインになれるのだと嬉しくなりますね。ああ、素直に生きればいいだけなんだ、と。

さて、今日もヒロインたちを応援するため、ドラマの世界へいってきます。

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