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3000円のランチコースで心理的圧迫…就活生を襲うオワハラ実録記2015!

田中 七海

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田中 七海

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就活制度が一気に変化し、あらゆるものに翻弄された2015年。
就活生の間では、今までの就活では生まれてこなかったような漠然とした不安と共に新たな言葉も生まれました。それが「オワハラ」。

今年から後ろ倒しになった就活日程の影響で、いわゆる大手企業の採用が8月以降となり、その結果、先に選考を進めている中小企業の内定を辞退する学生が増えるのでは!?と危惧した企業側が「内定出すから他の内定辞退してよ。早く就活終わらせてよ」とプレッシャーをかけてくることを指した言葉です。

内定式を終え、就活も一段落した友人たちに話を聞いてみると、なんとこの「オワハラ」を実際に受けたという声が! しかも、「これ本当につらい。ぜひこの苦しみを次の世代にも伝えて、対策して欲しい!」という切実な思いまで……!

そこで今回は、「内定もらったしここからは私たちのターン! トラップカード発動!」ということで、実際に「オワハラ」を受けた学生たちから話を聞き、その実態に迫りたいと思います!

ケース1 「仮内定者だけを集めて握手で結束」(某貿易会社)

(貿易系内定・22歳女子)

「複数の面接を経て、最終の役員面接を終えた後に7人の学生が別室に集められたんです。そこで、『内定を出したら他の全ての会社の内定を断ってうちの会社に来てくれますか?』と聞かれました。もちろんそこで『いいえ』なんて答えることは出来ないので、『はい。全て辞退します』と答えました。するとそこで一人ずつその場にいた役員と握手させられて、そのままその7人と役員でランチに。3000円と割と高めのコースランチをご馳走になって、『今後の働き方』、『会社での社員さんの様子』を聞かされ、更に『今までの就活の様子』などを話して、完全に『辞退しにくい雰囲気』を作られました。私はそこに始めから入社するつもりだったので良かったのですが、正直『ここまでするんだ……』と少し引いてしまいました」

面接後握手にそのままランチ……。企業側の必死さとオワハラ感がすごいです……!

ケース2 「もし内定だしたら他はこの場で断れる?」(某医療系会社)

(アパレル系内定・22歳女子)

「この会社の面接を受けていた時には、まだどこからも内定をもらっていなくて、すごく焦っていました。だから面接でも『他に持ち駒がなくて焦っていますアピール』をしていました。2次面接の段階から『もしうちに来てくれることになったらもう就活は終わりかな?』とか『いつまでに就活終わらせたい? なるべく早い方がいいよね?』と言われ、正直『内定もらえるかも』と期待していました。

いよいよ最終面接の一つ前まで来た時に『もしこのあと内定を出したら他の会社の内定は全部辞退してくれますか?』と聞かれました。その後更に『この場で全部辞退出来ますか?』と聞かれて『はい』と答えましたが、決心の揺らぎを見抜かれたのか最終面接で落とされました。実際他の内定なんか持っていなかったのに……。でも、その圧迫感がすごく気持ち悪かったので、断られて良かったです! 多分関わることもないので色んな子に『オススメしない』って言いたいです!」

恐怖の「オワハラ」。勝利のカギは選ばせずに選ぶこと

彼女たちの話を聞いていると、内定・辞退に関わらず、「オワハラ」に「焦り」を感じたようです。確かにせっかくもらえそうな内定を前に「内定が欲しいなら他の会社の内定辞退して」なーんて言われたら……誰だって焦りますよね。

その会社が本命ならいいけれど、仮にも押さえの会社だったら、「え!? ここで『はい』って言ったらもう他は辞退しないといけないの? でもここも押さえたいし……」という焦りのスパイラルに陥ってしまいます。

ですが、ここで思い出して欲しいのが、
「内定を出すのは企業側の自由だが、内定を受けるのは我々就活生側の自由」だということ。
どうしても就活は企業側に「選んでもらうもの」と思ってしまいがちなのですが(少なくとも私は最初そう思っていました)、就活はそもそも私たちが「行きたい(生きたい)会社を選ぶもの」。故にどれだけ採用側が優位に立っていようが、「内定を蹴るも受けるも私たちの自由」。更に言うならば、「その場で『はい! もちろんです!』と言ってその後内定を辞退しても何ら問題はない」のです(もちろんその際はきちんと手順を踏みましょう)。

実際にこの「オワハラ」を経験し、企業側に翻弄され苦しんだという就活生も多くいるようです。来年以降、この就活制度がどのように変わっていくのかは分かりませんが、いつの時代でも就活は我々就活生が自分の人生を選ぶためのものであって、会社が選ぶものではない。どんなに翻弄されても、企業にも世間にもオワハラにも負けずに頑張ってほしいなと、落ちこぼれ就活生の筆者が少しだけ先輩ぶってみたのでした。

(文:田中七海)

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