「あ!この情報面白いな」と思った時、あなたならどのような方法でその情報を広めますか?
情報は「リンク」でシェアするが一般的だった!?
この質問を受けたら私は迷わず「その情報元となるサイトのURLをコピペしてシェアします」と答えます。この答えに対して恐らく「え? 当然でしょう?」と思われている方も多いかと思います。
ですが、本当にそうでしょうか?
実は最近、周りの大人たちから「最近の若者は情報をリンクではなくスクショでシェアしていて理解が出来ない」という言葉を多く聞きました。
※スクショ……スクリーンショットの略。PC画面に表示されている映像を静止画として獲得する「キャプチャ」という行為のスマホ版。スマホの画面上に表示されている情報を写真で残すことができる
……あ、まあそう言われれば確かに……FacebookやTwitterでもスクショでシェアしている人って多いかもしれない……。でもだからって一概に「今の若者はよく分からない」で括られるのも片付けられるのも気に食わないっ!!
そこで今回は、大人たち曰く「スクショシェア世代」と言われる20代前半の大学生たちに「情報のシェア方法」と「その理由」を聞いてみました!
1.リンクとスクショは用途別で使い分ける
まず、スクショをする理由を聞いてみると、彼等は闇雲にスクショをしているのではなく、その用途によって使い分けているということでした。
「情報の一番見て欲しい部分だけを切り取って(スクショして)共有した方が早い」(S女子大学4年・22歳)
「例えば芸能人のブログを見ていてお気に入りのコーデを見つけた時みたいに、自分が見ておきたいとか、相手にただ見て欲しい場合はスクショ。そうではなく、きちんと理解して欲しいとか一画面では情報が収まらない時にはリンクを使います」(T大学4年・22歳)
また、LINEでの情報共有の際には、
「急ぎの時はスクショ、しっかり目を通して欲しいときはリンクを使います」(M大学4年・22歳)
どうやら、スクショをするときは「速さ」と「効率の良さ」を重要視しているようです。
ですが、なかにはこんな意見も……。
「LINEの中でスクショが送られてくると確かに早く情報が分かって便利だけど、詳しく知りたい時にイチイチ自分でその情報元をその写真から読み取って調べないといけないから不便。わざわざスクショして送ってきてくれているから『私でも調べたいからリンク送って』とは言いづらいし……」(D大学3年・21歳)
そう、スクショでシェアしてもらうのはいいのですが、そうすることで元の情報が分からなかったり、二度手間になったりと何かと不便さを感じている人もいるようです。
2.リンクとスクショは相手によって使い分ける
リンクとスクショの使い分けの方法として「用途」が判明したのですが、彼等は他にも「その情報を共有したい相手」でも使い分けをしているようです。
「LINEをしている時に、相手があんまり理解力がない子だと時間の無駄なので、こっちで必要な情報を選んでスクショして投げた方が早いです。逆に普通に会話が出来る子ならその手間も面倒臭いし、むしろ読んで欲しいのでリンクで一気に送ります」(A大学4年・23歳)
なるほど……。確かに理解力が乏しい子に多くの情報を与えても混乱させるだけで正直時間の無駄だと感じてしまう気持ち、分かります……。逆に理解力がある子にはなるべく多くの情報を送ってお互いに必要な部分を見つけ合った方が効率が良かったりしますよね!素晴らしい洞察力です……!
また、「シェアの方法」以前に「SNSでの情報共有」に対するこんな意見もありました。
「『Twitterに投稿』のような『共有ボタン』があるサイトならそれを使って共有します。なければスクショかな。でもそもそもSNSでの情報共有って意識高くてあんまりしないですけどね(笑)。必要な子に個人的に送ればいいだけの話だし」(O大学4年・23歳)
そもそも大人には「スクショ」の概念がないだけ
彼らに話を聞いていると、彼らの口から出てくるのは「そもそもスクショって最近出来たものだから大人たちにはそれを使うって考えがないだけでしょ。使える物を効率良く使っているだけ」というものでした。
確かに、親と話していてもイマイチ「スクショ」というものに対しての認識が薄いように感じますし、使用している人も少ないように感じます。
また、「SNSでの情報共有って意識高い」という発言からも見えてくるように、情報共有をスクショかリンクか~と話しているのは情報に敏感な一部の学生と、情報を載せているサイト運営側の大人たちだけであり、当の学生たちは時代の変化に合わせて効率的に使い分けているだけなのです。
一概に「スクショ」が悪い、「リンク」が正しいとは言えませんし、リンクを推し進める大人が悪くてスクショを多用する若者が正しいというわけではありませんが、時代の流れをいち早く取り入れ、目的や用途に合わせて使い分けていく器用さをもった若者たちから学べることも意外とあるのかもしれません。
(文:田中七海)