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菅田将暉の金髪がまぶしすぎて溺れる……『溺れるナイフ』小松菜奈とW主演で放つ光

佐藤由紀奈

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佐藤由紀奈

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ジョージ朝倉の伝説的コミック『溺れるナイフ』の実写映画化が発表されてからというもの、「一体誰が演じるの?」「いや、むしろ誰が演じられるというの?」と不安に思っていた原作ファンも多かったことでしょう。

そんな中、ついに発表された注目のキャスト。
主人公・望月夏芽役は、2013年の映画『渇き。』で鮮烈デビューを飾り、20歳にして独特の存在感を放つ小松菜奈さん。
夏芽と強烈に惹かれ合う長谷川航一朗(コウ)役は、今最も注目を集める実力派・菅田将暉さんが務めることがわかりました。二人のビジュアルも初解禁されています。

このキャスト発表を知り、原作の熱烈ファンである筆者が、率直にどう思ったかというと……。

「Good job!!!!!!!!!!」(涙)

菅田将暉から、コウちゃんが放つ強烈な「光」をくらった

東京でティーンモデルとして活躍していた夏芽は、絶頂期に田舎へ引っ越すことになり、自分が欲する「何か」から遠ざかってしまったと落ち込んでいた。
しかしそこで、人を寄せ付けない雰囲気をもつクラスメイトのコウと出会い、強烈に惹かれていく……。
これだけ聞くと「ラブストーリー」なのですが、わたしにとって『溺れるナイフ』はラブストーリーなんかではありませんでした。

「ラブ」というよりも、「戦い」の方が近いかもしれない。
必死に輝き続けようとする二つのむき出しの光源が、お互いの光の強さを証明するために、本気でぶつかり合っていく……原作を読んでいた時は、そんなイメージ。
だから、映画化されると聞いた時も、その「むき出しの感情がぶつかり合う感じ」は絶対に無くさないで映像化してほしいと思っていたのです。

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でもそれは、ジョージ朝倉先生の、美しくも烈しい絵柄だからこそ表現できることのような気もしていて、「実写版で本当にできるのだろうか……?」という、好きだからこそ、見るのが怖いという気もしていました。

しかし今回解禁された主演2人のビジュアル。

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小松菜奈さんについては、すでに『渇き。』でも「見る者を惹きつけてしょうがない引力」を見事に演じ切っているので、夏芽役もなんとなく想像ができていたところはありました。
しかし問題は、その相手役となる、コウ。
夏芽と対等……いや、それ以上に鋭く、野性味にあふれ、美しいのに、恐ろしい。そんな少年でなければいけないのです。

いろいろ書きましたが、端的に言って、キャストが発表される前は、「誰が演じるのか知らんけど、わたしの中のコウちゃん像を壊したら承知しないんだから……!」という、否定的見方でした。正直。

それがどうでしょう。菅田将暉版・コウのビジュアルを見て、あっさりと陥落しました。
この、すべてを見下し、圧倒的オーラで周りを制圧するかのような視線……!

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くらいました。

(そして本当のことを言うと、コウちゃんを演じられる人がいるならば、それは菅田将暉さんしかいないと思っていました。なので、もう、本当に『Good job!』って感じです)

漫画を通して抽象的に感じていた夏芽やコウの「光」が、実際に現実的な映像として感じることができるのなら、こんな……こんなに喜ばしいことはない!と、さっきまで否定的見方だったのがウソのように、公開が待ち遠しくなっております。

10代の頃、『溺れるナイフ』を読んで溺れていた

原作であるコミック『溺れるナイフ』は、2004年10月から2013年12月まで『別冊フレンド』(講談社)にて連載され、コミックス全17巻が発売中。2016年3月時点での累計発行部数は150万部という、人気作品です。

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しかしこの作品は、発行部数だけで「伝説」なんて言われているわけではありません。文字通り、当時この作品を読んでいた少女たちは、この作品に「溺れていた」のだと思います。

1987年生まれの筆者は、連載開始当時は17歳。夏芽やコウよりも少し年上だったけれど、作中で描かれているような「何者でもないのに、何者にでもなれる」という感情を、一番色濃く抱えていた頃でした。
自分でもうまく理解できない感情を、『溺れるナイフ』は、何とも美しく、力強い作品で可視化してくれたのです。
それは自分の中にあった「根拠なき無敵感」を助長してくれる、最高に気持ちいい媚薬だった気もします。

今の10代の少女はもちろん、連載当時10代だった世代にとっても、自分の中の「根拠なき無敵感」を呼び覚ましてくれるような、そんな“溺れる”映画であることを期待しています。

(文:佐藤由紀奈)

(C)ジョージ朝倉/講談社  
(C)ジョージ朝倉/講談社 (C)2016「溺れるナイフ」製作委員会

【作品詳細】
『溺れるナイフ』
出演:小松菜奈 菅田将暉 重岡大毅(ジャニーズWEST) 上白石萌音
監督:山戸結希(『あの娘が海辺で踊ってる』、『おとぎ話みたい』)
脚本:井土紀州 山戸結希
製作:依田巽 企画:小竹里美 瀬戸麻理子 
プロデューサー:朴木浩美 COプロデューサー:永田博康
原作:ジョージ朝倉「溺れるナイフ」(講談社「別冊フレンド」刊)
製作:「溺れるナイフ」製作委員会
企画 製作幹事 配給:ギャガ
企画協力 制作プロダクション:松竹撮影所
制作協力プロダクション:アークエンタテインメント
映画公式サイト:http://gaga.ne.jp/oboreruknife/

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