仕事も子育てもがんばるワーママには、仕事と育児を両立するヒントがいっぱいです。ワーママじゃなくても、仕事へのモチベーションが上がる秘密をレポ―トします。
今回はLORNA代表で、2人の男の子ママである高田典子さん。母子手帳ケースやおむつバッグなど、ママが普段でもオシャレに持てるママバッグをデザイン、販売しています。その仕事を始めようと思ったのは、ママになってから。
高田さんは女性ファッション誌を経てメンズファッション誌の編集者として出版社に勤めていましたが、妊娠のため会社初の産休・育休を取得。その後復帰したものの深夜帰宅や、息子が40度の熱があっても休めないなどで働き続けていくことを悩んでいたそう。
そんな中、ファッションとのコーディネートが楽しくなるような、自分が持ちたいと思える便利でかわいい母子手帳ケースがないことを不満に思い、使いたくなるデザインをコツコツ書き溜めていました。いつか作りたいという思いを漠然と持ちながら働いていましたが、そんな時に次男を妊娠。東日本大震災もあり「自分がやりたいことを思い切ってやってみよう、ここでやらないと一生後悔する」と一念発起して退職を決意しました。
そこから、製品化してくれる会社をネットで探し100件以上電話をしたそう。しかし、会社にも所属していない主婦の思いつきで、しかも最低生産個数が通常500個ほどのところを費用を抑えるため100個でやって欲しいという話など取り合ってもらえず、鼻であしらわれることばかりだったと言います。
諦めかけていたところ、唯一話を聞いてくれる会社が見つかり、生後1ヵ月の次男を連れてデザイン案を持って向いました。思いを熱く伝えたところ「おもしろい、やってみよう」と言ってもらえ、その会社の方が神様のように見えたと高田さん。
それからサンプル作りがスタート。商品製作は全くの初心者だったので、素材のこと、製品化までの流れなど教わることばかり。サンプルを作っても自治体によって異なる母子手帳の大きさに対応していなかったり……。その度に費用はかかり、本当に完成するのかと心配で焦る日々……。子供を連れて香港に生地や材料を買いつけにも行きました。
「ママに便利で可愛いものを作りたい」という一心で奔走して約1年、完成した時は感無量でしたが、同時に700個もの在庫を抱え、ちゃんと売れるのか、独りよがりだったらどうしようと不安でいっぱいだったといいます。
※高田さんがデザインしたLORANAのバッグたち。右奥からOliviaリボンシュシュ付き4wayクラッチバッグ¥18,360 リボンショルダー(おむつケース)¥12,960 ビッグリボンスマートフォンケース¥14,194(全て税込価格)
※4wayクラッチバッグは間口が広く、荷物の出し入れも楽ちん。独立したスペースが2つついていてたっぷり入ります。シュシュにもなるリボンがついているので、髪をまとめたいと急に思っても安心。ママの必需品iPadもしっかり入る大きさです。高田さんは普段の公園からママランチまで幅広く使っているそう。
※眺めているだけでワクワク気分を上げてくれる、N.Y.で撮影したLORANAのパンフレット。
カタログは力を入れたかったので、N.Y.の知人のカメラマンに頼んで現地でモデルと商品の撮影をすることにしたそう。
毎日スカイプやメールでやりとりし、イメージを事細かに伝授。子供が2人いて海外に行くことが難しかったため、撮影時は日本からディレクションし、納得いくパンフレットを製作。
できあがった商品とカタログを持って営業にいきましたが、作ったサイトでは1個も売れない日が1ヵ月以上続きました。
ある時タレントさんのブログで紹介されたことで一気に売れて、初めて作った製品が“知ってもらえるきっかけさえあればニーズはある、独りよがりではなかった!”と確信することができたと言います。
そこで、費用はかかるけれど多くの人に知ってもらえるから、と覚悟を決め、ベビー・キッズ向けの合同展示会に出展。その展示会が功を奏し、今では松屋銀座、東急百貨店本店、東急百貨店たまプラーザ店、東急百貨店札幌店、代官山セレクトショップ Plume ailis、うめだ阪急本店や名古屋高島屋での催事などでお取扱いされています。
高田さんは仕事で奔走しながらも、1人で子ども2人を連れて、サマースクールに通わせるためにL.A.に行ったりと子育てもアクティブ派。今もいくつもの習い事の送り迎えやPTAに積極的に参加したりと子育てにもしっかり時間をかけ、よくばりに楽しんでいます。
こんな風にCEOとしての仕事と育児を両立する秘訣は・・・?と聞くと、「どこでもMacBook Airを持ち歩いてすきま時間を有効活用すること」だそう。
子どもの習い事の待ち時間や打ちあわせの合間のちょっとしたすきま時間に、PCを開いて、メールチェックや受注管理などの事務作業をしていると言います。まとまった時間をとることは難しいけれど、10分でもすきま時間を見つけたら無駄にせず、事務作業をやると、短時間だからより集中力もUPするし、仕事がはかどるそう。
また、やらなくてはいいけないことは子どものことも仕事のこともすべてメモして視覚化しているそう。
仕事も育児も両方思いっ切り楽しんでいる高田さんの
短時間単位での時間の使い方とやることリストを作ることは、今すぐ仕事に取り入れられるヒントです。
(文:立花あゆ)