品川ステラボールにて『UNIDOL 2014 Summer』決勝大会がおこなわれた。UNIDOLとは、ユニバーシティアイドルの略。女子大生によるアイドルのコピーダンスの大会であり、また、この大会に出場する女子たちの総称でもある。ソーシャルトレンドニュースでは、5月から過去3回にわたり、この2014年の夏大会に出場する彼女たちを追いかけてきた。
(参考:女子大生アイドルの甲子園『UNIDOL』開催!溢れんばかりの“アイドル愛”が今年の夏をアツくする!
女子大生アイドルの祭典『UNIDOL』敗者復活願掛け特別密着企画①青山学院大学Ribbon ∞ by Chatters ②明治大学Copia)
ステージの上に立つと、急激な輝きを放つ“普通の女子大生”である彼女たち。そんな“普通の女子大生”に、対アイドルさながらに、いや、あるいはそれ以上に熱狂する観客。
また、実際にチェキつきチケットを販売したり、本物のアイドルさながらの活動をするコたちもいる一方、「あくまで私たちは、女子大生アイドルではなく、アイドルのコピーダンスをする女子大生です」と主張するコたちもいた。
果たして、UNIDOLとは何なのか。アイドルになれなかったコたちが、本物のアイドルを目指してやっているものなのか? それとも、単なるサークル活動として楽しむために割り切ってやっているものなのだろうか。
なぜ大学生としての生活もある中、深夜に練習をし、またお金が儲かるわけでもない中、頑張れるのか。彼女たちのモチベーションは何なのか。そして、当のアイドル本人たちにとっては、このUNIDOLの存在はどう捉えるべきなのか?
そんな様々な疑問を持ちながら、決勝の観覧にのぞんだ。
まずは、以前密着した、明治大学の『Copia』が敗者復活戦を勝ちあがり、決勝に出場。全曲衣装替えをするパフォーマンスで、クライアント賞である『表参道MODE賞』を受賞。テレビ東京系で放映されている同番組への出演権を得て、23日の放送に出演した。
また準優勝となった日本大学藝術学部の『ドルクラ☆』は、奇しくもこの日の前日に解散ライブをおこなったアイドルグループBiSの『nerve』を選曲。
この曲を筆頭に、AKB48、モーニング娘。から恵比寿中学に至るまで、盛り上がるアイドルの曲を知りつくしたセットリストに。彼女たちのアイドル愛が溢れるステージとなった。
この『ドルクラ☆』に限らず、全パフォーマスを見通して感じたのは、UNIDOLをやっている彼女たち自身が、アイドルを心底好きなのだろうなあ……という熱情である。
それが最も伝わったのが、結果発表の場面。ステージ上に、結果発表を待つ出場チームが一挙集結したところに、シークレットゲストの℃-uteが登場。
その瞬間、出場者の多くが喜びの声をあげ、中には泣き崩れる者もいた。さっきまで歓声を浴びる側だった彼女たちが歓声をおくる側に。不思議な現象ではあるが、やはり彼女たちを突き動かすのは「アイドルが好き」というピュアな気持ちなのだ、と確信した。
実は事前の出場者へのアンケート結果では「今、アイドルになりたいと思っている」というコは半数以下。「アイドルになろうとは思わない」理由は「アイドルが大好きだから」という、愛にあふれ、かつ哲学的な答えも。
それでは、当のアイドル本人たちにとっては、このUNIDOLの存在はどう捉えればよいのだろうか? ℃-uteのメンバーたちは「気合いが入りました」「嬉しい」とコメントしていたが、特にしっくりときたのが、審査員の振付師、竹中夏海先生のコメント。
「アイドルの子たちに幸せになってほしいと常に思っているんだけど、同世代の女のコたちであるみんながコピーをしてくれることで、アイドルたちも幸せになれる」
アイドルに元気づけられて、活動を始めたUNIDOLたちが、今度はアイドルたちを幸せにしている。自分たちが生み出したものが、まわりまわって自分たちを幸せにしてくれる。そんな幸せの循環を感じる幸福な現場だった。