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韓国の次は「チャイナテイスト」!“古典派”と“香港派”、2つの楽しみ方とは?

たなか もみこ

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たなか もみこ

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近年若者のトレンドとなる要素として大きいのが、“写真映え”。実際に撮るかは自由ですが、視覚的に楽しませるかどうかが1つのハードルとなっています。昨今の韓国ブームは、まさにそのポイントを押さえているからこそ。

そんな中じわじわと人気が上がってきているのが「チャイナテイスト」。みなさんは「チャイナ」と聞いてどんなイメージを思い浮かべましたか?

実は最近の「チャイナテイスト」は、いわゆるチャイナドレスのような柄やモチーフを身につける「古典派」と、まるで香港の繁華街に入り込んだような気分を楽しむ「香港派」の2つに楽しみ方が分かれているんです!

他人とカブらないファッション好きに人気の「古典派チャイナ」

「チャイナドレスといえば?」で多くの人が思い浮かべるであろう、チャイナボタンに繊細な刺繍、独特なモチーフ、色の合わせ方といった古典的なイメージのチャイナテイスト。

コロッとしたチャイナボタンのブラウス、細かい刺繍が全面に施された派手なスカート……オリエンタルなかわいさが色濃い「古典派チャイナ」は日本のファッションシーンにおいて無難にはなりえません。だからこそ他人とカブらないファッションを好む人たちの心をつかんでいるのです!

縁起がよい色合わせであることから、中国で定番になっているのは赤×金の色合わせ。ですが、それだけでなく、白×ピンクのような儚げな印象の色合わせもあるのに、刺繍のためかどれもどことなく強さを感じます。

そんなオリエンタルな雰囲気は、日本の街中との相性抜群! 掛け合わせることで絶妙なギャップが生まれるのがポイントです。つまり「古典派チャイナ」のアイテムはあっという間に“撮りたい自分”に変身させてくれるのです!

▲中国で伝統的におすすめされる女性向けの柄は「花」と「鳳凰」。「龍」は本来男性を象徴するモチーフですが、最近では女性がまとっても良いようです。

▲中華料理屋さんなどでもよく見かける赤×金の色合わせは、パワーを持つ「赤」と金運を上げる「金」で積極的に運を呼び込む意味があるとされています。

ノスタルジックな映画やドラマ の世界に浸る「香港派チャイナ」の楽しみ方

一方、「香港派」のアイコンは繁華街に輝くカラフルなネオンサイン。

草書体を縁取ったネオンサインや、同じ形の部屋がぎっしり立ち並んだモンスタービル……そんな香港らしい、カオスな風景に惹かれる人も多いのではないでしょうか。

▲MONDO GROSSO『ラビリンス』のMV。
ボーカルを務める満島ひかりさんが香港の街中を踊り回る姿で話題となりました。

「香港派チャイナ」の楽しみ方は都会的で少し俗っぽい、たくさんのモノと情報があふれる街の中で謳歌する夜遊び的な世界に没入すること。服はその景色に合うものを選びます。先日リニューアルオープンした『スピンズShibuya109店』は、内装に“香港”と、“90年代日本の景色”をミックス。90年代の日本といえばギャル文化の全盛期ということで、イベントには雑誌『egg』のモデルたちが出演しています。香港と渋谷ギャルの異色の組合せが斬新で、「可愛すぎる!」とTwitterで話題になりました。

▲『スピンズ Shibuya109店』の内装。試着室は香港の景色の写真(昼・夜)が壁紙になっています。

香港に実在するお店かどうかではなく、みんなが抱くイメージを現代に再現した空間づくり。この非日常感は、今の若者たちの“撮影したい”という欲求を大いに刺激します。こういった「香港チャイナ」テイストの場所はこれからますます増えていくのではないでしょうか。

いろんな系統のファッションを行き来しながら楽しむ時代の到来!?

他人とは違う服を着たい人に人気の「古典派チャイナ」と、カオスな景色と90年代ギャル文化を融合させた「香港派チャイナ」。どちらも中国文化を日本風に楽しんでいるのに、まったく方向性が違いますよね。でも、なぜ今チャイナテイストの人気が上がってきたのでしょうか。

かつては女性ファッション誌が強い影響力を持ち、好きな雑誌の系統=自分のスタイルという価値観が浸透していました。「赤文字系」や「青文字系」というキーワードに懐かしさを覚える方も多いのではないでしょうか。一方で近年の日本の若者トレンドは韓国一色。そろそろ目新しいものが欲しくなってきたのでは? そんな理由から見出されたのが「チャイナテイスト」の可愛さだったのかもしれません。次なるトレンドの源泉として、注目しましょう。

(文・たなかもみこ)

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