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群雄割拠の韓国コスメ界 新生ブランド『LAKA』が注目されるそのワケ

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こんにちは、MINです。韓国現地から最新トレンドをお届けする本連載。今回は韓国で革新的なコンセプトとブランディングが話題を呼んでいる、注目のコスメブランドについてお話をしてみようと思います。

近年、日本に限らず世界中から熱い視線を集めている韓国美容。コスメブランドは数えきれないほど増加しており、各ブランドがコンセプトを模索しながら試行錯誤を続けています。

また、最近ではメンズビューティーに力を入れるブランドも少しずつ増え始めていますが、まだまだブランディングの成功事例は多くありません。

そんな中ここ数年で頭角を現し始めているのが、男女問わず使えるユニセックスコスメの存在。

メンズコスメは機能性重視のブランディングが主流ですが、共感を煽るブランドコンセプトや印象的なビジュアルイメージで一線を画しているコスメブランドが、『LAKA(ラカ)』です。

韓国コスメ界で注目を集める『LAKA』とは?

2018年に誕生した韓国初のジェンダーニュートラルメイクアップブランド、『LAKA』。公式サイトにはこのようなブランドテーマが記されています。

一人のオーラを単純に説明できないのと同じように、人の美しさもまた一つの枠で区別できない。

人の唇の色を一つのカラーで決めつけられないように、LAKAはすべてのプロダクトについて性別を区別せず女性と男性みんなへLOOKを提案
 
ビューティーにおいての長い固定観念を捨て、楽しく実用性ある化粧品作りをする。

発売当初、話題を呼んだのが、とあるメンズモデルを起用した革新的なブランドビジュアルです。

イメージを見てもらえば分かっていただけるかと思いますが、決して男性だけをターゲットにせず、女性が見ても商品が魅力的に感じるようなメイクが施されています。

韓国では近年、「グルーミング族」といわれる身だしなみや自分磨きに力を入れる男性が増加中。
肌のトーンを整えるコンシーラーやクッションファンデーション、ニキビ肌向けの基礎化粧品や血色を良く見せるためのリップが、とても人気です。

『LAKA』の場合、どんな肌質の人でも使えるよう肌に負担の少ないナチュラルなコスメがブランドのメイン商品に。また、様々な肌トーンに合うカラーラインアップが揃っており、女性でも男性でも自分に合うアイテム選びができるのが特徴です。

一目でブランドコンセプトが伝わるビジュアル

プロダクトの質の高さはもちろんですが、『LAKA』が注目を集める理由として、ブランドのイメージ戦略が突出していることが考えられます。

女性である私も、メンズモデルが使用したカラーを一式購入してみましたが、実際に見てみると決して『LAKA』が他のブランドのプロダクトカラーとは違う斬新なカラーを使っているわけではありませんでした。むしろ、他のブランドと同様にいま人気のブラウンや赤系のカラー、ヌードな色合いのアイテムを取り揃えている印象です。

それでも『LAKA』のブランドイメージは“革新的”。やはり、一目でブランドコンセプトが伝わるビジュアルの力が素晴らしく、購買欲を刺激されるのだと思うと、ある意味非常に計算されたブランディングだと思いました。

今までにない“ニュートラル”なイメージを確立

従来のメンズコスメといえば、フェミニンな美少年のモデルを起用するケースがほとんどでした。これに対し『LAKA』が起用しているのは、骨格もしっかりした、どちらかというと男性らしい印象のモデル。

こういった部分が、従来と異なるビジュアル作りや一人ひとりの個性を引き出すブランドコンセプトの伝達につながっているのではないでしょうか。

また、メイクの方法にも特徴が。やりすぎ感の無いその人の個性に溶け込むような自然なメイクアップは、余計なバイアスを与えることなく商品そのものへの関心を高めてくれます。

実際に商品購入者のレビューの中には男性からの書き込みが多く、ファッション好きや自分磨きを頑張りたい人にとって、『LAKA』のブランドコンセプトが魅力的に映っていることが分かります。もちろん、商品自体も非常に良質で素晴らしいです。

消費者の心を掴むために重要なイメージ戦略

爽やかで清々しいイメージに偏りがちなメンズコスメにおいて、自然体を大切にし、個々の魅力を引き出すことを目的としたブランディングを行ったのは、『LAKA』が初めてのような気がします。

ユニセックスなファッションが人気を集め、お洒落においてジェンダーの境界線が無くなりつつある今。美容領域において『LAKA』のようなニュートラルな姿勢のブランドが生まれたのは、自然な流れなのかもしれません。

それと同時に、これまで未開拓であった中性的なブランドコンセプトを確立していくのには、相当な努力があったはずです。そんな高いハードルを越え、性別関係なく楽しめるコスメとしてブランディングに成功した『LAKA』。
確立されたブランドとしての“核”があったからこそ、一目で力強いメッセージを伝えられるビジュアルを生み出すことが出来たのだと思います。

続々と新しいブランドが生まれ、クオリティや価格だけでは差別化が難しくなってきている韓国コスメ業界。

今後は消費者の共感を煽るブランドコンセプトや、強く目を引くビジュアル作りが市場を広げていくカギとなっていきそうです。

より自分を魅力的に見せたいという気持ちは、性別に関係なく共通なはず。一見、男性とは程遠く見えるメイクですが、これからは少しずつ概念を変え、より多くの人が楽しめるものへと形を変化させていくのかもしれませんね。

(文:MIN)

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