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人々はなぜバービー人形に憧れるのか?『進化心理学』を読んだらモテの構造がわかった

そや

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こんにちは! そやの「今月のベストペア読書」、今回で第5回となります。

ペア読書とは…
2人で同じ本をもちより、速読により30分で読破。その後ディスカッションをするという読書法。
制限時間があることや相手がいることによるプレッシャーで集中が高まり、また、直後にアウトプットがあることで記憶の定着もよくなるなど、多数のメリットがある。

『ペア読書』という最強の読書法を見つけたので図解します。より

今月のベストペア読書は、進化心理学者のアラン・S・ミラー、サトシ・カナザワ著『進化心理学から考えるホモサピエンス』です。

『進化心理学から考えるホモサピエンス』
著者:アラン・S・ミラー / サトシ・カナザワ
出版社:パンローリング株式会社
https://amzn.to/2nb3c0Q

今回の記事は、多少ゲスな内容になっています(笑)。
本書自体が、割と身もふたもない人間の話なので、しょうがないんです。ご了承ください。

ちなみに今回のペア読書は、コミュニティ事業・モビリティ事業などを手掛ける若手ベンチャー企業のCOOの方がお相手でした。

『進化心理学』ってなに?

本書は、『進化心理学』という学問をベースに、男女関係など人間にとって身近なトピックを読み解く本です。
知らない方のために説明すると、『進化心理学』とは、

『淘汰の中でより生存に最適な性質をもつ遺伝子が生き残ってきたはずで、私たちの心理や行動をその視点から紐解こう』

という学問です。ちょっとこれだけだと分かりづらいですね。
実例があるとわかりやすいと思うので、本の内容に触れつつ、見ていきましょう。

人々がバービー人形に憧れる理由

バービー人形をご存知でしょうか?
アメリカの有名な着せ替え人形です。外見は、スタイルのいい、青い目をしたブロンド美女。

バービー人形が象徴する、スタイルが良いブロンド美女は、実は男女問わず、世界中で人気があります。
これはなぜなのか?というのを進化心理学で読み解いてみましょう。

日本でも、西洋人へ憧れる女性は多いですよね。これは一般的には『広告が憧れを煽り、西洋人崇拝の文化が形成されたため』と言われることもありますが、実は違います。
なぜなら、ブロンド美女の登場する広告がない地域でも憧れの対象となっているからです。
人々が憧れるからブロンド美女が広告に使われるのであって、その逆ではないということです。

ではなぜ憧れるのでしょうか?ここで進化心理学の出番です。
バービー人形的な外見が、もっとも生存に有利だったからではないか?と考えるのです。

女性が若くて健康であることは子供の生存に繋がりますから、男性が若さ・健康さを見抜きやすく、『この子は若くて健康だ!』と確信を持てる女性のほうが人気になり、優れた男性と子を残せる可能性が高まると考えられます。

その際、バービー人形的なルックスは

・長い髪 → 髪が綺麗であれば、過去数年間は健康であることが推測できる
・金髪 → 歳を取ると茶色くなるので、きれいなブロンドは若さの証
・大きな胸 → 垂れ下がっていない胸は若さの証

といったように、若さ・健康さのシグナリングになると考えられます。

そこで、バービー人形的な女性を求めた男性の遺伝子の生存率がたかまり、また良い男性と番えるように、そうなりたいと憧れるようになったのではないか?というお話でした。

ディスカッション:男女で異なる「モテ」への見方

ディスカッションで出た話をいくつか紹介します。

僕はWEBマーケティングが本業なのですが、マーケティングの世界でよく言われていることとして、『男性には「これをつかうとモテます!」と言うと売れやすいが、女性はそれほどモテに興味がない』という話があります。

本書をよんで、その理由がかなり腹落ちしました。
というのも、女性はモテ度を改善しても、遺伝子の生存率がそれほど変わらないからです。
男性にとっての子作りは射精のみと考えると、ミニマム15分です。一方女性は子供が生まれると数年は拘束されます。男女では、1人残すのにかかる時間に数十万倍の開きがあるんですね。

こう考えたとき、男性はモテるようになればなるほど遺伝子が生き残る可能性がたかまります。しかし本書によると、女性はスケジュールツメツメで頑張ったとしても、一生涯かけて産める子どもの数はMAX25人程度 とのこと。モテ度を改善しても生存率が全然改善しないんです。
これまでは正直、『女性はモテに興味がないとは言っても、なんだかんだモテたいでしょ?』と思っていたんですが、男性が思うよりも、モテたい欲はかなり低いのかなと思いました。

また別の話で、最近元AV監督の方と話した際に「男性は無料でポルノを見たがるが、女性はお金を払ってくれやすいので女性向けビデオ市場がアツい!」という話をしていました。アイドルや2.5次元などでも同様に女性は課金してくれやすいと言われていますよね。

これはなぜなんだろうと思っていたのですが、もしかすると、子孫を残す行為の回数が少ないため、1回1回にコストを掛けられるからかもしれない!と思いました。

最後に、男性は遺伝子を残すために男性同士で競争をしていて、仕事のモチベーションは基本モテにあるらしいです。そのため、結婚するとモテなくても遺伝子が残せる状態になるので、生産性が著しく下がるらしいんですね。

どのくらい下がるかと言うと、こんな話がありました。
50代の学者のうち、20代と同じように精力的に論文を出している人はどれくらいいるのか?と調査した所、未婚者は50%いるのに対し、既婚者は4%しかいないんだそうです。

生涯にわたって仕事で成果を出していきたい僕たちとしては、これは人生の課題です。こうした「本能でついそう考えてしまう」ということに対して、理性でどのくらい抗えるのかということについては、これからさらに考えていきたいなと思いました。

終わりに

本書はとても易しくて読みやすい本で、進化心理学の入門としてもオススメです。

気になった方は、こちらのリンクから購入できます。→ https://amzn.to/2nb3c0Q
よかったら読んでみてください。

ではまた次回! そやでした!

(文:そや)

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