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『ハートドリブン』ベンチャーで生きづらい気持ちを抱く人に読んでほしい一冊

そや

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こんにちは!そやの「今月のベストペア読書」、おかげさまで今回で第6回となります。

ペア読書とは…
2人で同じ本をもちより、速読により30分で読破。その後ディスカッションをするという読書法。
制限時間があることや相手がいることによるプレッシャーで集中が高まり、また、直後にアウトプットがあることで記憶の定着もよくなるなど、多数のメリットがある。

『ペア読書』という最強の読書法を見つけたので図解します。より

今月のベストペア読書は、東証一部上場企業 株式会社アカツキのCEO 塩田元規著『ハートドリブン 目に見えないものを大切にする力』です。

『ハートドリブン 目に見えないものを大切にする力』
著者:塩田元規
出版社:幻冬舎文庫
https://amzn.to/2W6Yqz8

ベンチャー界隈で共感を呼んでいて気になっていたので選書しました。

ちなみに今回のペア読書は、前回に引き続き、コミュニティ事業・モビリティ事業などを手掛ける若手ベンチャー企業のCOOの方がお相手でした。

『ハートドリブン』ってなに?

本書の一貫したメッセージは「これからは『感情』にフォーカスが当たる時代だ」というものです。
それ自体はよく言われていることなので、聞いたことある人もいるかもしれません。

この本が新しいのは、『会社組織ももっとそうなるべきだ』、という主張の部分でしょうか。

たとえば
・会社はKPIばかりを追いかけるより、感情に重きをおいたほうがかえってKPIも上がる。
・社員一人ひとり、そして社長ももっと自分の感情を話す機会をつくろう

といったエピソードが紹介されていて、アカツキでは会社として感情や人間の内面に重きをおいているからこそここまで成功したと言われています。

こうした、感情を中心にすえるということを『ハートドリブン』と表現しているんだと思います。

本書では、塩田さんがハートドリブンな思考に至った理由や、その良さ、会社での具体的な取り組みなどが紹介されています。

僕が泣きそうになった理由

塩田さんは今でこそハートドリブンですが、もともとはコンサル気質で数字ドリブンなところがあったといいます。
リーダーとしての責任として、もっと数字を、もっと成果を追い求めていたと。

すると次第に、「弱みを見せてはいけない」と思い込んで自分の感情を溜め込んでしまったり、人が離れていってしまったんだそう。
そうする中で、「もう限界なんだ」と自分の気持ちを素直に打ち明けられるようになり、周りの人たちやお客さんの感情も大事にできるようになってきたということでした。
この一連のストーリーにはかなりぐっと来るモノがありました。

ここからわかるように本書は塩田さんが自分の弱さや正直な気持ち、内面に時間をかけて向き合ってきた、そのストーリーを語る本でもあるのです。

僕も以前、ベンチャーに数年身をおいて、失敗してきたことを告白したnoteを書いたのですが、かなり気が重たかったです。

ましてや塩田さんのように立場もある人が素直に失敗談をかくことの難しさは推して知るべし。こうしたところからも塩田さんの人間的な魅力を感じますよね。

かいつまんでごくカンタンに書きましたが、詳しくは本書をぜひ読んでみてください。

ここからは、ペア読書の読後ディスカッションで出た話をいくつか紹介します。

Whyから始めよ

ディスカッションで主に話題になったのは、「自分の内側にもっと向き合おう」というテーマでした。

本書の中で「Whyから始めよ」という一節があります。

有名なサイモン・シネックのTEDの「ゴールデン・サークル」で知られる言葉ですね。
カンタンに説明すると、偉大な企業は Why → How → Whatの順に思考し、平凡な企業はその逆である、という話です。

Whyとはつまり「なぜそれをやるのか?」であり、自分の内側から湧き出てくる行動理由です

Whyを明確にしておけば、自分の感情に素直になりやすいのではないか?と考え、お互い表現してみることにしました。

結果として僕の最近の仕事におけるWhyは、「自分の成長と成果を感じられて楽しい」というものであり、ペア読書のお相手のWhyは「友達を助けたい」でした。

とくに僕の方は、ともすれば自己中心的な理由ともとれるので恥ずかしい気持ちもあります。
たとえば『「社会の役に立ちたい」といったWhyを抱くべき』という意見もあるでしょう。社会人としてそのほうが理想なのは僕もわかります。
しかし、この理想論にとらわれることこそ本書でNGとされていることなので、まずはこのありのままの自分を受け入れ、また周りに受け入れてもらうということから始めたいなと思いました。

気が楽になった

外部環境によって定義された、「こうすべき」より、自分の内から湧き上がるものを見つめようという話がとても印象的でした。

ベンチャーに身をおいていると、どうしても「スケールこそ正義」「IPOこそ正義」「巨額資金調達こそ正義」といった価値観が頭に入ってきます。
この価値軸で称賛されている人々へ憧れる気持ちもあるのですが、心の奥底では「でも僕たちが本当に進みたいのはこの道ではない」という思いがあるよね、と話しました。

しかしそれはこの世界では口にしづらいのです。志が低い人だと思われるのではないか?という恐れがあるからです。

本書を読むと「外発的なこうあるべき、にとらわれることなく、自分の感情に向き合おう」と背中をおされているような錯覚を覚えます。
塩田さんのような立ち位置の方にそういってもらえると、これでいいんだと自信がもてて、ちょっと救われたような気持ちになるよね、という話をしました。

本当にこの本に出会えてよかったです。

終わりに

今回は以上になります。

気持ち的になんとなく息苦しさを感じている人、違和感を感じている人には響く一冊だと思います。
ぜひお手にとって見てください。

気になった方は、こちらのリンクから購入できます。Kindle版も出ています。 → https://amzn.to/2W6Yqz8
よかったら読んでみてください。

ではまた次回!そやでした!

(文:そや)

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