○可愛いのになんで? スタンプのチョイスが「?」な女子たち
私たちの生活の中になくてはならなくなった存在のLINE。
もはやコミュニケーションツールとして会話、電話の次に重要な地位を占めるようになりました。
しかし、そうやって日常的にLINEを行っていると、ふと疑問を感じることってありませんか?
たとえば、こんな女子たち。
そう、やたらと気持ち悪いスタンプを使ってくる女子です。
「一体、どこでそんなスタンプ見つけたの??」
と聞きたくなるようなスタンプの数々……。
しかも、そういう女子に限って見た目が可愛い気がしませんか!??(少なくとも私はそう思っています)
一体、(可愛い)女子たちはどういう意図があってこんなキモいスタンプを使うんでしょうか??
○“キモいスタンプを使ってくる女子”への考察
ところで、私の書いた記事(例1、例2)を読んでくれたらわかると思うんですけど、私、生まれ持ってひんまがった性格をしているんですよ。
なので、そういう“可愛いのにキモいスタンプ使ってくる女子”に対して
「素でやってるって感じ出してるけど、本当は違うんだろ?」
「気さくアピールしてるんだろ? 『私、こんなに可愛いのにスタンプは面白いの。ギャップあるでしょ?』的な」
「というか、元から可愛いからスタンプで可愛さ足す必要ないんだろ!!?」
とか思っちゃうんですよね。つーか、絶対そうだろ。
はあああああ!!ムカつくぜ!!計算づくめな女どもの化けの皮をはいでやりたい!!!
ということで“可愛いのにキモいスタンプを使う女子”にインタビューしてきました。
≪女子の仮面をあばくため、吉田豪さんの『聞き出す力』を読み込んでインタビューに備える私≫
○インタビューその1 沙樹さん
最初にインタビューさせていただくのはこちらの方!
名前:沙樹さん
年齢:26歳
経歴:東京大学大学院(理系)を卒業後、当サイトを運営するトレンダーズに入社。
今流行りのリケ女かつ東大院卒かつ可愛いという、化け物のようなスペックの持ち主。
(LINEスタンプ使用例)
(LINEの相手は私ではありません)
なるほど。これはなかなかファニーなスタンプを使われていますね。
見た感じの印象と使っているスタンプのギャップに、思わず仲良くなれないんじゃないかと思ってしまいます。
○インタビュー
「沙樹さん、今日はよろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
「まず最初にお聞きしたいのですが、なぜこのような気持ち悪……個性的なスタンプを使われているんですか?」
「本心で可愛いと思っているからです」
「そうなんですか」
「はい。私、お化けが好きでお化けのスタンプをよく使うんですけど」
「それは東大院卒で美人という自分のスペックが化け物みたいってのとなにか関係はありますか?」
「いえ、そういうわけではないです。ただ単純に『これが私っぽい』っていうスタンプを探してたら自然と変って言われるようになったと言うか……可愛いけど、ちょっと独特なものが好きなんです」
「なるほど。数あるスタンプの中から、それを選んだと」
「はい。一応、動物のスタンプを探してみたりもしたんですけど……可愛いんですけど、可愛すぎて逆に使えないというか。万人ウケっていうか。そう考えると、やっぱり自分らしいものが一番可愛いかなって」
「ん?……それは、沙樹さんっぽいスタンプ=可愛いスタンプ、ってことでいいですか?」
「いえ、違いますね。自分の感性に合致しているので可愛い、って意味です」
「……そっちでしたか。では、そのスタンプの使用に、なにかしらの意図はありませんか? こういう風に思われたいみたいな、女性的な計算高さとか」
「ありませんね。むしろ、友達に“こわい”と言われて初めて『ああ、私ってスタンプ変わってるんだな』って気付きました」
「そりゃそうですよ。そのお化けスタンプ自体も、お化けスタンプ使っちゃう精神性も僕からしたらこわいです」
「でも、私は『うれしい』って思っちゃうんですよね。“変わってる”ってのは褒め言葉だと思っているので。“個性が大事”って言われて育った世代です」
「そうですか。生真面目な常識人の私には全く理解できませんね……では、スタンプの使い方は誰に対してもそんな感じなんですか? 好きな人に対してはスタンプの使い方が変わるとか、そういうことはありませんか?」
「ないです。そもそも、LINEで好意を伝えるつもりはないです」
「ほう、自然体なんですね。そんな感じだったら、スタンプで損することもありそうですけど」
「ないです。万人ウケは私っぽくないし、かりに一般的に可愛いとされているスタンプを使って好かれても、それは偽りの自分なので」
「へえ……でもですね、よく見てくださいよ。プロフィール画像とお化けスタンプのギャップがすごいじゃないですか。青い海をバックに虫歯ポーズした、非常にさわやかなプロフィール画像とお化けのスタンプ……お節介ですけど、女子力下がっちゃいませんか?」
「え、そうですか? 全然意識してなかった」
「いや、どう考えてもそうでしょう」
「マジかー……そっかー……」
「……いやでも、このお化けのスタンプ、よく見ると結構可愛……」
〇インタビューその2 あやなさん(28歳・電話取材)
次にインタビューさせていただくのはこちらの方!
名前:あやなさん
年齢:28歳
経歴:一橋大学を卒業後、大手企業に勤務。まごうことなきハイスペック女子。
(LINEスタンプ使用例)
(LINEの相手は私ではありません)
なるほど。その外見のキュートさからは想像できないスタンプのキモさですね。
でも、こういう見た目可愛くて清楚な感じの女の方が裏表があって、実際計算に計算を重ねてやってるんですよね。
どーせ、スタンプだって、その一環なんでしょ? いや、そうに違いない!
さっきは対面だったから正直ちょっと気を遣ったけど、今回は電話での取材!
12000円のパソコンの修理を電話でねばって2500円に値引きさせた経験があるくらい私、電話での交渉は得意中の得意なんですよね!!(※クレーマーではない)
言いたいように言って今度こそ化けの皮をはいでやるぜ!!
○インタビュー
「あやなさん、本日はよろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
「まず最初に聞いておきたいんですが、どうしてあんなスタンプを?? 正直、すごくキモいんですけど」
「それが、自分ではキモいと思ってないんですよ。むしろ、可愛いと思ってて」
「(またかよ……)周りからの評判とかはどんな感じでしょうか? 可愛いのに~みたいに言われませんか?」
「それはないですけど、『チョイスが面白いね』とかは言われたりします。あとは、『意外にそんな感じなんだ』とか、『親近感がわいた』とか」
「なるほど。でも、他にもたくさんあるわけじゃないですか、スタンプって。それこそ、キキララとかマイメロとかカナヘイとか。それなのに人とは違うスタンプをチョイスをするってのは、どうもなにか本心が隠されているような気がしてならないんですよねえ」
「そうですか……そんなことないんですけどね。私はただ、自分があまり話がうまくないから、表情豊かで自分の感情を表現してくれるスタンプを使ってるつもりというか」
「本当に素でやってるんですか? 気さくな自分をアピールしようみたいな魂胆はありませんか? そうやって男をたぶらかして……」
「最後なんて言いました? はっきり聞こえなかったんですけど」
「いえ、なんでもありません。空耳だと思います」
「そうですか……気さくな自分をアピールするという感覚とはちょっと違うんですけど、見た目のせいか大人しく見られがちなので、それを払拭するためにああいうちょっと変わったスタンプを使ってるところはあるかもしれません」
「なるほど。コミュ障で悩んでる友達が同じこと言ってました」
「もちろん、一般的な可愛さもわかるんです。女の子とのグループLINEでは、周りの子に合わせて普通に可愛いものも使ったりします。やっぱり、なんか合わせないとみたいな(笑)」
「わかります。僕もそうです。こんなテンション低そうな顔してますが、結構キャピキャピしたスタンプ使っちゃうんで」
「……なので、素でキモいスタンプを使ってるかどうかって話になると、むしろ、普通のスタンプ使っている時の方が素じゃないです」
「そうですか……では、自分が可愛いからスタンプで可愛さを足す必要もない、みたいな性悪なとこもない感じですか? てっきり、色白童顔清楚な女子アナ系の女性はみんな計算の鬼だと思ってたのですが」
「はい。というか、さっきからずっと色々と考えられているようですけど……もし、策略をするなら、普通に女子っぽいスタンプを使った方がいいんじゃないですか? その方が普通にウケがいいような気がするんですけど」
「たしかに」
「でしょう?」
「正論、というか盲点でした」
「付け加えると、私は人見知りなんです。なので、知り合って最初の方は、話していると人見知りしているけど、LINEでは結構はじけている、みたいな感じになっているんだと思います。それが、人によっては目につくのかもしれません」
「見せていただいたLINEのスクショ画像にもそんなシーンがありましたね」
「そうなんです。私としては『接してもらいやすくなればいいな』くらいの気持ちなんですけどね」
「それ、ただの不器用な人じゃないですか。計算高いどころか、けなげです」
「ギャップがあるともし思ってもらっていたとしても、それ自体が目的ではないです」
「可愛い、一見おとなしい感じの女の子が一風変わった感性を持ってる……多くの男が人知れず好きになって勝手に諦めて勝手に失恋する、“セルフ失恋”の構図が容易に想像できますね」
〇結論
今回、ふたりの“可愛いのにスタンプがキモい女性”にインタビューをしてみてわかったこと。
それはただ単純に“彼女たちの可愛いの感覚が、他の人とは少しズレてる”ということでした。
てっきり、女性特有の計算高さ、男を釣ってやろう、手のひらでコロコロしてやろうという気持ちがあるのかと思っていましたが、そんなことはとくになかった模様。
なんとも当たり前な結論になってしまいましたが、物事の本質ってそういうもの、シンプルだったりしますもんね。
「人の数だけ正義がある」とはよく言われる言葉ですが、「可愛いは正義」という言葉がある事も考えると、
「人の数だけ可愛いがある」
と、言ってよさそうです。
LINEスタンプが流行る理由が、ものすごーく理解できました。
○インタビュー後記
このインタビューを通じて、学んだことがあります。それは
「可愛いのになんでキモいスタンプを使うの?」という考え方はおかしいのではないか?
ということです。
たしかに、年頃の女の子がキモいスタンプを使っていると、その見た目とのギャップから、ちょっとした違和感を感じることもあるでしょう。
とくに、その女の子が人並み以上に可愛い外見をしていたらなおさら。
しかし、そう思ったあなたは自分に問い直してほしいのです。
目に見えているものが本当にすべてなのか?
無意識のうちに「可愛いのに~」「女の子なのに~」という風にして、相手を枠の中にはめているのは我々の方ではないか?
ということを。
人間とは本来、多面的な要素で構成されています。
相反する性質がひとりの人間の中に共存し、受け手によってもその印象はまた大きく変わる。
だから、可愛い女の子の中に“キモいスタンプ好きな面”があってもいいはずなのです。
男子高校生がシンクロをやってもいいように、おじさんが社交ダンスをやってもいいように、可愛い女の子だってキモいスタンプを使ってもいいはずなのです。
っていうか、可愛いのにスタンプも面白い女の子なんて、最高じゃないですか。
少なくとも、私はそんな子が大好きです。
原稿の体裁上、女子に恨みを持っている感じに書きましたが、全部ウソです。
むしろ私はフェミニストで女の子が大好きで、「好きなタイプは?」という陳腐な質問を投げかけられたら「女性全般です」と答えるくらい、女性をリスペクトしています。
そして、本当のことを言うと可愛い女子がキモいスタンプを使ってきたらグッときます。
というわけで、これからは偏見や先入観を捨て、「~だから」「~なのになんで」という型にはまらないように生きていきたいと思いました!
私自身に対してもだし、もちろん女性に対しても。
そういう態度こそが、男女の垣根を越えて、そして個人それぞれの垣根を越えて正しくわかり合う、第一歩なのではないでしょうか。
P.S.
ということは、男だってリラックマの可愛いスタンプ使ったっていいってことでしょ??
男友達とリラックマでじゃれあってもいいってことでしょ??
(完)
超長い記事、最後まで読んでいただきありがとうございました。
(文:岡本 拓)