「LINE使えないの?オヤジだねー、あははー(゚ω゚)」
ある日、女子大生からきたLINEにメールを送ったところ、こう返ってきた。もちろんLINEで。スタンプでは、LINEのウサギがこちらに指をさして笑っていた。
人生で初めてオヤジ扱いをされた瞬間だった。
85年生まれ、現在28歳の僕は、中学3年生だった2000年頃にクラス全員が携帯電話を持っていたような世代だが、その分ケータイメールに慣れ親しみすぎていて、どうもLINEがしっくりこない。
一方、最近ではLINEの返信が遅いと使えない奴扱いされるらしいし、時代の流れにホイホイ乗ってたまるかと自分のスタイルを通そうとしてメールを使うと、冒頭のようにオヤジ扱いされる始末である。
だが、残念ながらこのオヤジ扱いも、株式会社リビジェンとトレンダーズ株式会社の共同調査『女性スマートフォンユーザーのコミュニケーションに関する意識・実態調査』の結果を見ると納得できる。スマートフォンで最もよく使う連絡手段として「LINEなどのインスタントメッセンジャーアプリ」を選んだのは約8割。それに対して「メール」は約1割程度という結果…10代・20代でこの結果だそうだが、さらに10代だけに絞ると、メールを最も使うと答えたのは、たったの3%だったらしい。このメールの使用率の低さには非常に衝撃を受けた。そして、中学生の時に「俺らの頃はポケベルで……」と語っている先輩を、僕自身がオヤジ扱いしていたことを思い出した。
そう、数歳違うだけで、通信環境に関わる文化は全く違ってくる。メールからLINEへの移行はもちろん、僕が大学生だった数年前までは同世代が使いまくっていたデコ文字も、スマホへの移行とともにほとんど目にすることがなくなった。
代わりに、最近の大学生以下の世代では、時に行をはみ出している顔文字(画像参照)だとか、どうやって作っているのか謎に思うような顔文字が主流だ。この顔文字は、特殊顔文字あるいはガールズ顔文字と言われているらしい。調査でも、約5割が使用していると回答している。スマートフォンになって新たな文字コードに対応したことで使用できるようになった、特殊記号を使った顔文字らしいが、専用のアプリも出ているらしいので、オヤジ呼ばわりされた僕でもきっと使えるはずだ。
ということで、僕もこのガールズ顔文字を使って、冒頭の女子大生にメールを送ってみた。これでもうオヤジ扱いされないはず!なんなら、「若い!同世代じゃん!」くらいの雰囲気になって親近感を持ってもらえ、お近づきになれるかもしれない。
淡い期待を持って待ち続けた。時間にして3時間40分後。結果、やっと戻ってきた返信は、「気持ち悪い!笑」。「笑」があるだけいいが、顔文字なし。
こんなところでめげる僕ではないので、「何歳だったら許される?」と聞いてみたところ「何歳?!歳の問題なの?!ww」というツッコミ。こちらも顔文字なし。
ちなみに、先の調査では「連絡をする相手によって顔文字・絵文字・スタンプなどを使い分けることはありますか?」という質問に、「好きな人には顔文字・スタンプを使うが、嫌いな人、特に興味がない人へは文字だけにしている」という女子大生の回答が……。
あれっ、じゃあ顔文字がないということは……!?
年令に応じたケータイ使用をこころがけるか(たぶん、「ケータイ」と言っている時点で既に古い)、「LINE使えないの?逆にかわいい~!」くらいのことを言ってもらえるキャラに振り切るか……女子大生と仲良くなる道は、まだまだ険しそうだ。
(文 霜田明寛)
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