映画『繕い裁つ人』の公開初日の舞台挨拶が、1月31日新宿ピカデリーにて行われ三島有紀子監督、メインキャストの中谷美紀さん、三浦貴大さん、黒木華さんの計4名が登壇しました。
本作の舞台は神戸。オーダーメイド専門の「南洋裁店」を営む二代目店主、市江(中谷)のもとへ、デパートの営業マン藤井(三浦)が訪ねてきます。ブランド化の話を持ちかける彼に、全く興味を示さない「頑固じじい」のような彼女。そんな二人を中心に、彼女が作る洋服に集まる人たちが織りなす、心温まる映画作品です。人気コミックが原作で、三島監督が8年かけて完成にこぎつけた思いが強く籠った物語だそう。
■女性陣からいじられる三浦貴大の雨男キャラ
中谷さんは開口一番、「昨日の雪から打って変わって、快晴の初日を迎えられて本当に良かったです。三浦さんは雨男ですので、今日は来なくていいんじゃないかって思ってました」といきなり毒舌コメントを披露。会場は笑いに包まれます。次に彼女は「女子力高い」とも紹介した三浦さんへマイクを渡します。
それを受けて三浦さん、「本当に雨が降らなくてよかった。今日降ったら中谷さんに何いわれるかとビクビクしていたんですけれど…昨日のうちに雪降らせておいたんで!」と雨男ならではの発言。
最後に黒木さんもちゃっかり“雨男問題”を拾います。「中谷さんと監督が晴れ女なので、勝ったなって思いました」とかわいらしくひかえめな声で三浦さんを追いつめます。
そんないじりに、和やかな笑顔で対応する三浦さん。そんな彼、撮影現場では“女子力男子”を思わせるような思い出があったそう。
ちなみに“女子力男子”とは「従来、女性が行い、得意とされてきた領域の力が備わっている男性」のこと。博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー、原田曜平さんが提唱した言葉です。
■中谷美紀料理長と三浦貴大助手の手作りごはん
中谷さんは主演女優でありながら、現場では豚汁や鴨汁をふるまったそうです。そんな彼女から「三浦くんも、白玉の入ったおしるこやカレーを作ってましたよ」と紹介されます。
そのまま三浦さんが料理男子として認知されるのかと思いきや……「中谷料理長の指示を受けて、テキパキやってたっという感じでした」と監督に暴露されてしまいます。
予算があまりなく、16日という詰め詰めのスケジュールだったという撮影期間。ほとんどお弁当を食べる時間がなかったという監督は「立っていても食べられる、中谷さんのお手製の汁ものばかり食べていた」と彼女が役者としてではなく、コックさんとしても現場には必要不可欠だったことをのぞかせます。
■満足度93%超え、初日2日間で興行収入1900万円以上!?
終始心温まるやりとりが目立った今回のイベント。その中でも中谷さんの最後の言葉が一番印象的でした。
「こんなにささやかで、こんなに贅沢な映画にかかわれたことを一人の人間として心より誇りに思います。またいつの日か、みなさんとお目にかかれることを楽しみにしています」
日本を代表する大女優にも関わらず、作品に携わった多くの一人として舞台挨拶を締めくくりました。
この初日舞台挨拶から最初の2日間、土日の興行収入は1900万円以上。満員が相次ぎ累計で1万6千人が来場する大盛況だったとのこと。
『しあわせのパン』、『ぶどうのなみだ』でも映画を通して“隣合わせた人を深く思うこと”の素晴らしさを教えてくれた三島監督。
本作も劇場に足を運んだ多くの人にとって、大切に思える作品に仕上がったことは間違いなさそうです。
(文:小峰克彦)
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