世の中にきっと必ずあるはずの「ときめきのタネ」を求め、単なる顔面偏差値だけではない側面からイケメン研究をするという名目のこの連載。
第3回目のピックアップイケメンは……この“二人”!
「子役出身美少年」神木隆之介と本郷奏多
神木隆之介といえば、「人気子役から実力派へ成長を遂げた俳優」の代表格。12歳で映画『妖怪大戦争』の主演を演じ、日本アカデミー賞・新人俳優賞を受賞。近年は『桐島、部活やめるってよ』『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』などの作品に出演し、ピカイチの存在感を発揮しています。
(作成者:東宝MOVIEチャンネル)
(C)2015 映画「バクマン。」製作委員会
一方、本郷奏多も子役として数多くの作品に出演し続け、着実に実力をつけてきた俳優の1人。現在公開中の映画『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』でも、当初「原作のイメージと違うのでは?」と思われたアルミン役を好演し、主役を喰うかと思うほどの高い演技力を見せつけてくれました。
(作成者:シネマトゥデイ )
(C)2013映画「奴隷区/僕と23人の奴隷」製作委員会
二次元的な美しさを演じられる外見と声が共通点
「美少年」「中性的」「塩顔」「華奢」。
「子役出身」という以外にも、外見的特徴が似ていると言われる二人。漫画を原作とするキャラクターを演じる機会が多いのも共通点です。それは、その二次元的な美しさが大きく影響していると思いますが、加えて、声。二人とも、低すぎず、少し鼻にかかったような甘い声が特徴的。アニメの画を通して聴くと、より一層その魅力が際立ちます。
最大の共通点は、美しいのに怖い「闇」
と、ここまではファンの中でもよく話題にのぼる共通点かと思うのですが、わたしが思う二人の共通点は、それ以外にもあります。
最大の共通点にして、最大の魅力。それは、醸し出される「闇」です。
あえて中二病的な表現をしてみましたが、これは褒め言葉。「役者としての深み」と言い替えることもできると思っています。
二人ともここ数年、「悪役」で脚光を浴びた役者。「美しいのに怖い」を演じさせたら、この二人の右に出る若手はそういないと感じています。
ところが「闇」を感じることは共通していても、その性質は少し違っているようにも見えるのです。
神木隆之介の「闇」はコントロールされた狂気
一見すると「闇」なんてものとは縁遠そうな、屈託のない笑顔が印象的な神木さん。22歳とは思えないほどの無邪気さを感じさせる時もありますが、年齢以上の経験を思わせるような、貫禄を感じさせる時もあります。そこはさすが芸歴20年のベテラン俳優のなせるところでしょうか。
演技においては、その両面を見事に演じ分けているのが彼の魅力のひとつ。今年の出演作でいえば、映画『脳内ポイズンベリー』で演じた“石橋”は、底抜けのポジティブキャラで、どちらかといえば普段の神木さんに近いイメージです。しかし作中後半、眠りから覚醒するシーンの鋭い目つきには、思わず“ゾクッ”とさせられました。この見事な切り替えこそ、彼の持つ「闇」であり、それはコントロールされた狂気にも思えます。
もちろん笑顔もいいけれど……その下に潜む、狂気がたまらない! あんなに柔な美少年なのに……蔑まれてみたい! と思った女性は、わたしだけではないはず……。
トキメキ度:★★★★★
本郷奏多の「闇」は他者を拒む、剥きだしの閉鎖感
対する本郷さんは、どちらかというと普段からあまりニコニコと笑っている印象がなく、どこか冷めているイメージ。8月11日に放送された日本テレビ系『今夜くらべてみました』に「外気が嫌いな潔癖症俳優」として出演し、その度がすぎる程の引きこもり思想が大きな反響を呼びました。
もともと「何かを拒んでいるような目つきだな……」と思ってはいたのですが……なるほど、納得です。
しかしこの、俗世から隔離された閉鎖的な「闇」こそが、彼の浮世離れした魅力ではないでしょうか。ともすれば社会不適合と見なされかねない雰囲気ではありますが、だからこそ放っておけない。
逆毛を立てた気位の高い黒猫のようで、ついついエサを与えたくなってしまうのです。これだけ美しいなら、ダメなままでもいいというか……そのまま世界の汚いものになんて触れないでいてほしい。そのためなら、養ってもいい! と思った女性では、わたしだけではないはず……。
トキメキ度:★★★★★
「闇」を感じない男に女は惹かれない
ということで、今回のまとめとしては「男の闇は、男の色気」ということです! 「女は危険な男に惹かれてしまうもの」とはよく言われますが、この二人を見ているとそれを実感します。「危険」という言葉は、あまり普段の二人のイメージとは直結しないかもしれませんが、「ミステリアス」「奥深い」そんな言葉に置き換えれば納得していただけるのではないでしょうか。「闇」のないクリーンすぎる男性には、きっと女性は色気を感じないものなのです……(もちろんクリーンな男性だって女性を幸せにはしてくれると思いますが)。
とはいえ、神木さんや本郷さんのように、わかりやすく、「良質で美しい闇」をまとっている男性なんて、そういないと思います。男性に対して、どれだけ内面に潜む「闇」を見抜けるか。これも女性がときめくための、1つの鍵になってきそうです。
(文・イラスト:佐藤由紀奈)