フジテレビ系列で放送中の木曜ドラマ『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』が、第一話から第二話にかけて視聴率を伸ばし、話題になっている。不倫を扱ったこのドラマの主演を務めるのは上戸彩。2001年に『3年B組金八先生』の生徒役で注目を集めた彼女が、アラサーの不倫妻を演じるとは隔世の感がある。
実生活でも結婚を果たした彼女は、1985年生まれ・現在28歳の立派なアラサー女性。実社会でも不倫が起きやすい年齢に差しかかっている。そこで、ふと考えた。もし、上戸彩が実際に不倫していたら、どんな曲を聞いて励まされるのだろうか。やっぱりEXILEの『Ti Amo』なのか!? いやいやいやいや!そんなの“UETO PRIDE”が許さないはず!
ということで、本記事では、実際に不倫をしているアラサー女性たちに、『どんな曲を聞いて励まされているか』を聞き取り調査。
人気記事となった『桜満開!ジャニヲタ男子が選ぶ 桜とともに聞きたいジャニーズソング6選』『新社会人に贈る!明日からも頑張れるアイドルソング5選』に続き、3匹目のドジョウを思いっきり狙いながら、独断と偏見でジャッジ!
3位『Can’t Stop Fallin’ in Love』 (globe 1996年10月30日発売)
130万枚以上を売り上げ、globeの代表曲のひとつとも言えるこの曲。『踊る君を見て恋がはじまって』というサビは爽やかな恋のはじまりの歌にも聞こえるが……!?
「『いつもは 指輪をはずしていたのに どうして 昨日は腕も組んでいたの?』というところから、バリバリの不倫ソングですね。おそらく、奥さんと仲良さそうにしているところを偶然発見してしまい、普段の自分の前で見せる、妻批判をしている様子との差に悲しんでいるところだと思われます」(27歳・公務員 現在職場の既婚上司と不倫中)
なかなか怨念のこもった分析……!じゃ、じゃああの爽やかなサビは?
「あのサビは『踊る君を見て恋がはじまって』のあとに『私ができること 何だかわかった』と続きます。しかし、この2フレーズの間には大きな時間の隔たりがあるはずです。この『できること』とは、身を引くことなんですよね。結局、既婚者と交際している身としてはそれしかできないんです」
つまり、恋の始まりと終わりが1サビの中に入ってしまっている、と。さすがの小室哲哉全盛期!歌詞も魔法のよう!
「あとは『時には誰かと比べたい 私の方が幸せだって…!』のフレーズも突き刺さりますね。自分が幸せではない道を進んでいることは当然わかっているからこそ、他人と比べて、もっと不幸な人はいるハズ、って自己肯定したくなっちゃうんです!」(同上)
絶対的な幸福感がないと、相対的な幸福感を求めてしまうということなのか……。下を見て安心する心理と言っては難だけど、うーん奥深い!
2位 『蛍』(一青窈 2014年3月26日 発売)
『昼顔』の主題歌『他人の関係』も歌う一青窈が、今年3月に発売したレコード会社移籍第1弾シングル。最後は『恋をしよう あきらめないで』と終わるこの曲も、とても不倫ソングには聞こえないが……!?
「その終わり方ができるところがこの曲の素晴らしいところではあります。ただ、中盤に出てくる『勇気をもって 真昼のすべての過ちをゆるせ』というのはまさに不倫ですよね。『人生の踊り場 で ちょっと だけ 戸惑っただけ』っていうところも最高です。不倫って人生の踊り場なんですよ。受験、就職、結婚と人生の階段を止まらずに駆け上がらなければいけなかった私たちにとって、人生を一時停止するタイミングでもあるんです。さすが、一青さん、これは実体験がないとわからない感情だと思います」(31歳・主婦 出会い系サイトで出会った男性と不倫中)
こちらも奥深い。しかし、こうやって聞くと、一青さんの代表曲『ハナミズキ』の『君と好きな人が 百年続きますように』という名フレーズまで、不倫相手の幸せを願って身を引く女のうたにも聞こえてきてしまう……!
ちなみに、この『蛍』と同じCDに収録されているのが『アンパンマンのマーチ』なところに、一青さんの歌手としての、いや人としての幅の広さがあらわれている気が。
1位 『もしも雪なら』 (DREAMS COME TRUE 2006年11月29日発売)
1位となったのは、ドリカムのこの曲。『何度でも』『大阪LOVER』という名曲に挟まれてのリリースのため、一般的な馴染みは薄いが、不倫アラサー女性の中では定番なのだとか。
「『大人の方が 恋はせつない はじめからかなわないことの方が多い』っていうところにグッときますね。はじめからかなわない、なんてこと中高生の頃はなかったので。奥さんより私のことが好きだけど、別れることはできないという彼に『なんで早い者勝ちなの?』と怒ってしまった日に聞いて、ひとりで泣きました」(29歳・サービス業 現在職場の既婚上司と不倫中)
と、TOP3をあげてみたが、実は今回の聞き取りの中で、意外にも人気が高かったのがこの曲だ。
【番外編】『Let It Go~ありのままで~』
『アナと雪の女王』の大ヒットとともに、今年、こどもから大人まで口ずさんでいたこの曲。不倫要素なんて一切ゼロにも思えるが……!?
「『ありのままで』『これでいいの』って何度も繰り返してくれるこの曲は、これでいいのか不安な私の心を慰めてくれます。コトが終わった後のホテルからの帰り道、もちろん私はひとりですよね。『これでいいの 自分を好きになって これでいいの 自分信じて 少しも寒くないわ』ってひとりで歌っていました。最後の部分は『少しも怖くないわ』『少しも悪くないわ』みたいに替え歌して、よくひとりで口ずさんでいます」(前出・27歳公務員)
作った側は不倫の肯定歌として聞かれるとは微塵も思っていなかったと思うが、こうやって誰にでも「自分の曲!」と感じさせることのできる普遍性から、ヒット曲は生まれるのかもしれない。
それにしても、こうやって不倫話に触れた後だと、大半の曲を不倫ソングとして聞くことができるから不思議。不倫しているアラサー女性の方々も、同じようで……。不安定な恋の中で、感情を揺さぶられることで、共感の幅が広がり、どんな曲も自分ごととして感じることができるのかも。といっても、曲やドラマに感情移入しすぎて、安易に“昼顔 TRIBE”になってしまうのは危険なのでご注意を!