みなさんはアーティスト・作家シシヤマザキのことをご存じだろうか。
最近はTVCMなどでも起用され始め、彼女の独特の作風にはまってしまう人が続出しているのだ。
より詳細に彼女のことを紹介する前に、まずは作品を見ていただきたい。
作成者:shishi yamazaki
軽妙な音楽に絶妙なカット割り、思わず世界観に入り込んでしまうテンポ感を感じていただけただろうか。
この作品「YA-NE-SEN a Go Go」は彼女が東京藝術大学デザイン科2年に在籍していたころ、課題で制作したアニメーションだ。この作品以降、自らをモチーフにした、手描きによる瑞々しいアニメーションを発表し続けている。
シシヤマザキは1989年神奈川県生まれ。現在は、東京藝術大学大学院映像研究科に在籍している。水彩画風の手描きロトスコープアニメーションを制作する傍ら、ライフワークとして2010年5月11日より、 一日一個の顔(マスク)を毎日作り続けるプロジェクトを行っている。制作したアニメーションは、世界中のアートアニメーション&クリエイティブイベントで上映され続けている他、 PRADAや資生堂といった世界的なファッションブランドのプロモーションにも起用されている。
先だっては、ルミネのCMに起用されたことでも記憶に新しい。
作成者:ttz100
彼女の作品の特徴はなんといっても、モデルになっているのが彼女自身ということである。
彼女の制作技法はロトスコープアニメーションといって、モデルの動きをカメラで撮影し、それをトレースしてアニメーションにする手法。つまり、アニメーション内でのキャラクターの動きは、実際にシシヤマザキが踊ったものということになる。
次に紹介するのはYAMASUKI YAMAZAKIという作品のトレイラー。
作成者:shishi yamazaki
学部の卒業制作で制作したアニメーションである。作品の注釈にはこのようにある。
「ひどく嬉しい時、嬉しさが嬉しくて、何が嬉しかったのか忘れるぐらい嬉しい。体をめぐる喜びの循環。」
喜びを全身で体現しているアニメーションは大迫力で見ごたえがある。特に注目して欲しいシーンは水中を泳いでるかのようなこちらのカット。
このシーンの作画のために実際に水中で撮影したとのこと。ロトスコープならではのリアルな動きが独特の世界観を一層盛り上げている。
ちなみにフルバージョンはこちらから見られるので要チェック。
また、その他の作品も彼女のほ~むぺ~じ(自称)から視聴できるので是非ご覧いただきたい。
ShiShi Yamazaki
そんなシシヤマザキに、仕事に対する考え方と今後の展望についてインタビューしてみた!
「アニメーションを作り始めた頃と今とで違うのは、クライアントワークが増えたということです。良い面で言えば、仕事をまわすために他の人を巻き込んで制作するようになったので色んな人のエッセンスも取り込んで充実したクリエイションが可能になりました。それから、より多くの人に作品を見てもらえるようになったのもメリットです。その反面、限られた時間内で作品を仕上げないといけないというジレンマがあって。そんな中でもきちんと残る作品を作りたいと考えています。今後に関しては、アニメーションやコマーシャルワークにとどまらず、立体作品などもどんどん増えていく予定です!最近活動拠点が変わったので、新鮮な気持ちで制作に打ち込むことが出来そうです!」
現在はルミネのCM第二弾が公開中であり、今回は忍者に扮したししやまざきを見ることができる。思わずくすっとしてしまうアニメーションは必見だ。
今後も彼女の動向から目が離せない!!