彗星の如く現れた、ゾゾスーツ非公式モデル
2018年5月14日(月)。「非公式ゾゾスーツモデル ZOZOTARO」は、突如としてSNS上に現れた。
I ❤️ ZOZOSUIT
長年待ち侘びたZOZOSUITが手元に届き、その機能に感動し、非公式モデルになることを決意した。#非公式ゾゾスーツモデル#ZOZOSUIT着てみた#zozosuit#ゾゾスーツ#zozotown pic.twitter.com/wQDutgYvsQ— ZOZOTARO (@zozo_taro) 2018年5月14日
ZOZOSUIT(ゾゾスーツ):株式会社スタートトゥデイが運営するファッションショッピングサイト 「ZOZOTOWN」が提供する採寸用ボディースーツ。テクノロジーによってファッションにおけるサイズ問題を解消するということで、その前例を見ない取り組みが話題に。
ここ数週間で、ZOZOSUITが手元に届いたというユーザーからのSNS報告が相次いでいるが、このようなケースは恐らく他に類を見ない。
彼は何者なのか、何が目的なのか。詳細が明かされないまま、連日アップされる、普通にスタイリッシュなZOZOSUIT着用画像……。
一体何者なのか、気になりすぎる
ZOZOTAROに……会いたい!!
いてもたってもいられなくなったソーシャルトレンドニュース編集部は、アカウント開設から1日。Twitter経由で取材を申し込んだ。
すると返答は……。
ZOZOTARO氏「福岡まで来られますか?」
編集部「……」
ごめん、福岡までは行けない!! 経費降りない!! オンラインでお願いします、生半可な覚悟でごめんなさい!!
福岡在住・ZOZOTARO氏にオンライン取材を敢行!
ということで、我々の無礼にも気を悪くすることなく、快くオンライン取材を引き受けてくれたZOZOTARO氏。
編集部「本日はどうぞよろしくお願いします!」
ZOZOTARO氏「はい。よろしくお願いします。ゾゾスーツ非公式モデルのZOZOTAROです」
ZOZOTAROの設定
「早速ですが、ZOZOTAROさんは普段、どのような生活をされていらっしゃるのですか?」
「毎日ZOZOSUITを着て歩いています」
「毎日? ずっとですか?」
「はい。寝る時も、お風呂に入る時も」
「いかなる時も」
「という設定です」
「設定……!!」
(もちろん、公衆電話を使う時だって)
「ちなみに取材の日程調整など、Twitterでやりとりをしていたのは、マネージャーのセイタロウといいます。小さなモデル事務所で、所属はZOZOTAROとセイタロウのみ。という設定です、はい」
「設定ですね(セイタロウは中の人ってことか……)」
非公式モデルとして活動することになった理由
「ZOZOSUITが発表された際、マネージャーのセイタロウがすぐに『欲しい!!』となり、その日のうちに注文したんです。まだかまだかと待ちわびていましたが、しばらくして仕様変更のニュースを知って (※)。もとのデザインを期待していたので、セイタロウがすごく落ち込んでしまったんです」
(当初のZOZOSUIT 株式会社スタートトゥデイHPより)
(現在のZOZOSUIT 同社HPより)
※大量生産および配送遅延を改善するため、当初予定していた伸縮センサー方式から、全身約300~400個のマーカー読み取り方式に変更となった。
「『ドット、ダセエじゃん』って」
「はっきり言っちゃいましたね」
「はい。『GANTZ(※)ごっこできると思ったのに……』と言っていました」
※奥浩哉作・漫画作品(集英社)
(当時を振り返るZOZOTARO氏)
「それで実際にZOZOSUITが届いて、セイタロウは『やっぱりダセエな~』と思いながら、しぶしぶ着たらしいんですが……」
「着てみたら?」
「未来が、見えてしまったんです」
「スマホのカメラがパシャパシャと、ZOZOSUITのマーカーを読み取って勝手に計測していくんですが、その体験が想像を越えていて……。まさに近未来。もう本当に、何年後かに飛び級したみたいな感覚でしたね」
「そんなにすごかったんですか……!」
(同社HPより)
「計測結果が3Dで表示される瞬間も、SF映画みたいで演出も含めてカッコよかった。あまりに感激してしまったセイタロウは、気づいたら僕に『ZOZOSUITを着て街を練り歩いてほしい』と頼んできたんです。それはもう、理屈ではなく、衝動で。そして僕も、自然とZOZOSUITを着て、走り出していました」
「……セイタロウさんはなぜご自身でやらずに、ZOZOTAROさんに頼んだのでしょう?」
「セイタロウは、恥ずかしがり屋なんです。なので、目立ちたがり屋のZOZOTAROに頼ったんでしょうね」
ファッションとしてのZOZOSUIT
「ZOZOSUITはそもそも体型を計測するための道具であるわけですが、ファッションとして見た場合、いかがですか?」
「セイタロウも、最初こそ『ダセエ』と言っていましたが、僕に着せてみたら意外とカッコいいと思ったみたいですよ。せっかくだからもっとカッコよく見せたいなということで、専属のカメラマンに撮ってもらって、それをSNSにアップしています」
「専属カメラマンがいるんですか!」
(確かに写真のクオリティ高い)
「はい。着心地もすごくフィットして、めっちゃ動きやすいです。最近、ランナーの方とか、運動する時にタイツだけというスタイルも多いですよね。それを思えば、ZOZOSUITを着て街を歩くのも、何ら変なことはないんですよ。僕はジムに行く時も、サーフィンに行く時ももちろんZOZOSUITですから」
「そういう設定ですもんね」
「あ、7月にある友人の結婚式にももちろん着ていきます」
「えっ(さすがにそれは……)。フォーマルな場ですよ?」
「はい。なので、ネクタイはしていこうかなと。白黒だと一体化しちゃうので、赤とかですかね」
(そういう問題じゃない)
『ZOZO』アイテムを着てみて
「ZOZOSUITの採寸データで作れる『ZOZO』ブランド(※)のアイテムはすでに試されましたか?」
(『ZOZO』のベーシックアイテム 同社HPより)
※ZOZOSUITで計測した体型データから、オーダーメイド方式で製造し販売するすスタートトゥデイ初のプライベートブランド。
「はい。Tシャツとデニムパンツ、どちらも頼みました。あ、セイタロウが。ただ、ちょっとツンデレなんです、ZOZOSUITって。立ち位置がよくないとやり直しになるし、状況によっては上手く計測できないことがあるんですよね。そのせいか、セイタロウの場合、足の長さが初日以降短くなってしまいました……。信じたくなかったので、初日の数値でデニムパンツを頼んでしまったんです。そしたら案の定というか、ちょっと裾が長かった」
「採寸ミスをした自分の体型に、夢を見てしまった、と……」
「本来の自分の体型を受け入れて、2回目以降に計測した足の長さで再注文しました」
「Tシャツはどうでしたか?」
「袖が少しだけ長かったので、これも実は再注文しました。でも僕やセイタロウは、普段サーフィンをやっているので、肩幅が人より広くて、Tシャツはなかなか着こなせなかったんです。でもZOZOのTシャツは、腕をあげてもちょうど脇毛が見えないくらいで、かなりいい感じです。それに、生地がめっちゃ気持ちいい……! アメリカのコットン100%ということで、洋服好きにはたまらないこだわりポイントですよ。さすが前澤さん(※)です!!」
※スタートトゥデイの創業者・前澤友作氏のこと。
ちなみに、このインタビューの直後、交換に出していたTシャツとデニムが届いたそう。完璧なサイジングで、大感動だったとのことです!
(『ZOZO』のTシャツとデニムパンツを着用したマネージャー・セイタロウ氏)
周囲の反応は……
「実際に非公式モデルとしてZOZOSUITを着て街を歩いてみて、周りの反応はいかがでしょうか?」
「今のところ、不審者扱いですね。福岡だからというのもあるかもしれませんが、意外とまだZOZOSUITが認知されていないようで……ただのドット柄の全身タイツを着た変な人だと思われているみたいです。あ、でも、外国人からの評判はすごくいい。『お前は何者だ!?』って、よく話しかけられますね」
「その質問には、どう返しているんですか?」
「日本で一番有名なモデル、と」
「ウソはいけませんね」
今後と前澤さんへの想い
「今後、ZOZOTAROさんとしてどういった活動をしていきたいなど、展望はあるのでしょうか?」
「非公式モデルなので、非公式でしかやれないことをやりたいですね。例えばセイタロウやZOZOTAROの共通の趣味であるサーフィンをやったり、セレクトショップに行ってこのスーツに合うコーディネートを探したり……。あとはアートも好きなので、いろんなアーティストさんとコラボしたいです。写真も、もっといろんな人に撮ってもらいたい」
「公式モデルになりたいという思いはあるのでしょうか?」
「……公式になってしまうと、できることが制限されてしまいそうなので、それは思わないですね。でも、前澤さんには気づいてほしいから、公式の非公式モデルにしてほしいです」
「SNSの投稿にも『#前澤さんへ届け』をつけていらっしゃいますよね」
「はい。前澤さん、昔からすごく好きなんです。僕もセイタロウも。ビジネスと自身の趣味であるアートを切り離さず考えているところに、憧れますね。クリエイティブな思考をとても大切にしている。僕もアートが大好きだし、起業を目指しているので、そうでありたいなと思っています」
「なんだか最後、思いがけず意識の高い話になってしまいましたが、前澤さんへの純粋な憧れが伝わってきました。前澤さんに届くよう、応援しています!」
「はい! ありがとうございます」
ただ計測するだけじゃなかった、ZOZOSUIT
ということで、実際のZOZOTARO氏は礼儀正しく、まじめに設定を考え貫き通そうとしており、非常に好印象な青年。そして何よりも、普通にイケメン!!
このようなイケメンを奇行に走らせてしまうほどの魅力、いや魔力を持ったZOZOSUITと前澤さん……恐るべし!!
今後もZOZOSUITに魅せられた人々から、新たなキャラクターたちが次々と生み出されていくことでしょう……!
※ZOZOSUITは、あくまで採寸用ボディースーツです。
(文:佐藤由紀奈)