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阪神は弱い。それでも阪神ファンが応援をやめないのは「家族だから」

ソーシャルトレンドニュース編集部

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このコーナーでは、深く広がる愛でもって、“何か”にハマる女子を「オクウ(ヲク)」と名付け、紹介していきます。
*「オクウ(ヲク)」の意味についてはこちらから

今年のプロ野球シーズンも、あとわずか……!
セ・リーグでは広島カープが25年ぶりの優勝を決めたということで、地元・広島は大きな歓喜の渦に包まれました。
広島カープといえば有名なのが、“カープ女子”の存在。
リーグ優勝した際には「わたしもカープ女子♪」といった発言がSNSで急増し、もともとのファンからニワカファン扱いされる……なんて場面も多々見かけましたが、それもまた、広島カープの人気を裏付ける現象でしょう。スポーツファンに女子が増えることは、そのシーン全体の盛り上がりの象徴でもあると思います。

カープ女子は来年も増えていくことが予想されますが、そんな中、あえて。
あ・え・て! 4年ぶりのBクラスに沈みつつも、阪神タイガースを愛してやまない女子「阪神ヲク」たちにスポットを当てたいと思います!

勝てない阪神タイガースを愛しつづける理由

今回、話を聞かせてくれたのは、阪神ファン歴約30年以上(!)というKさん。
好きになったきっかけは、小学校3年生の時に起こった日航機墜落事故だったのだとか。

きっかけは、伝説として語り継がれる“1985年の優勝”

1985年8月12日、未曾有の大惨事となった日本航空123便墜落事故。
そこに、当時の阪神球団社長だった中埜肇さんが搭乗しており、犠牲になってしまったのです。
選手たちは大きなショックを受け、事件直後は連敗を喫しますが、その後チーム一丸となった結果、21年ぶりのリーグ優勝! そして初の日本一を達成するという、今もなお伝説的に語り継がれる劇的なエピソード。これをリアルタイムで観ていたKさんは、一気に心をつかまれたそうです。

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「喪章をつけて戦っている選手たちをテレビで観て、幼心に、”この人たちかわいそう”と思って、応援するようになりました。やっぱり応援しはじめたチームがどんどん勝っていって、しかも優勝するっていうのを味わうと、楽しいじゃないですか。それで一気にファンになったっていう感じです。そこからはもう、一途、一途でここまで来ました!」

阪神タイガースの魅力は「イケメンがいない」「ファン同士の支え合い」

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まず巨人と比べて、給料が安い、イケメンがいない、華がない!(笑)
でもそういうところが、泥くさくて、逆にいい! 巨人とかはスマートなんですよね。イケメンも多いし。
そんな中でも、華やかな感じがない阪神が好きなんです。とはいっても、これまでに自分が好きになった阪神の選手はわりとイケメンなので、矛盾してるんですけど(笑)」

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「あとはなんといっても、阪神ファンが大好き。阪神ファンって“阪神ファン、みな家族”みたいなところがあるんです。
わたしが好きになったのは85年の優勝した年からですけど、そこからは成績がみるみるうちに転がり落ちていって、周囲とずーーーっと離されてっていう暗黒時代が続いたんです。だからこそファン同士支え合おうぜ!っていう連帯感が強かった。
 
阪神ファンって怖いイメージがあるかもしれないですけど、実際はすごく優しいです。甲子園球場は地響きがするって昔からいわれてるくらい盛り上がるし、そういうファンが熱狂しているのが好きですね。その中にいるのが気持ちいい。周りの人もそういう感じで、阪神ファンは阪神ファンに熱いんです。
テレビとか観ていても、芸能人が“阪神ファンだ”って言うと、“いい人だ!”って思っちゃうし、職場や取引先でも阪神ファンの人に出会うと、すぐに“仲間!”みたいな感じになりますしね」

「もう嫌い!……やっぱり好き!」まるで恋愛みたいに離れられない!

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「ファン同士の支え合いが強いからこそ、暗黒時代があっても嫌いになれないんだけど……でも本当に、ここぞって時に負けるわけですよ……。今日勝てば2位なのに!とか、ここ勝てばCSいけるのに!とか、そういう時に勝てず。なんでこう、勝負弱いんだろうってことが多くて。

以前、月額324円でいろんな情報が見られる阪神公式の携帯サイトに登録していたんですけど、そういう、ここぞって時に負けられると、“もうわたし、阪神ファンやめる! もう知らない!(泣)”ってなって、解約するんです。でも2日後くらいに好きな選手が活躍したり、勝ったりすると、“なにー!?!? もっと詳しく知りたいー!!”ってなって、また登録!……みたいなことを繰り返してました。我ながら女子っぽいですね。ちょっと恋愛みたいっていうか(笑)。
 
今季も、スタートがいつになくよかったから期待してたのに、すごい浮き沈みが激しくて! 沈むたびに“もう知らない!(泣)”ってなるんだけど、0.5ゲーム差とかまで成績があがってくると、“がんばれ、がんばれ!!”って盛り上がって、そしてまた沈んで……の繰り返し。好きと嫌いをいつも繰り返していて、離れられない! ほんともう、ダメな亭主ってこんな感じかなって思います

「阪神ファン、みな家族」という深くて広い愛

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「やっぱり突き詰めると、チームや選手というよりも、阪神ファンが好きなんです。
だって、阪神ファンってだけで、絶対いい人じゃないですか! 野球好きな人にとっては、強いわけでもないし、イケメンが多いチームなわけでもないから、そんなチームを応援しているとなると、なんか優しそうっていうか、情に厚い!みたいな感じがするんです。王道ではなく、“あえて”な感じが。
 
極論、選手が全員巨人とトレードしたとしても、ファンが残るなら、たぶんわたしは阪神ファンでいるんだと思います! 阪神ファンの人と、阪神について語り合う時が一番楽しい。その瞬間のためにファンをやっているっていっても過言じゃないくらい。
なんていっても“阪神ファン、みな家族”がポリシーなので、阪神ファンでいると普段の生活では関わらないような人とも仲良くなれるし、阪神ファンのみんなを愛せる。それってすごく幸せなことだなって思います。だって、家族が日本全国に何十万人もいるわけですから。
だから、わたしにとっての阪神タイガースは……みんなで一緒に見られる夢、かな。そのつながりこそが、すべて!」

大いに浮き沈みし、語り、労い合うのが阪神ヲク

Kさんの話にもあった通り、阪神ファンというと、たしかにスポーツファンの中でも熱烈な人が多いイメージ。
CSシリーズへの進出を逃し、早々にシーズンが終わった時には、どんな激しい野次が飛び交うのかと思いきや……。SNSで多く見られたのは、意外にも「虎党のみなさん、おつかれさまでした!!」「また来年!!」といった、ファン同士で労い合うような声。
あれ、意外と優しい……? むしろなんだか、“恒例のあいさつ”くらいの自然さ……?
と、不思議に感じていましたが、その実態と愛の理由が、今回のKさんの話を通してわかった気がします。日本全国にいる、何十万人もの家族たち……。うーん。愛の規模が、でっかい!

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女子の“好き”は果てしない――。
次はどんな○○ヲク女子の心の中が明らかになるのか!?
こうご期待!

(文・イラスト:佐藤由紀奈)

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