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【ゆとり社長×りょかち対談】「一歩先を行く」では速すぎる。現代の若者を熱狂させる、SNSで先を行く感性

あまの さき

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あまの さき

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Instagramのアカウント「古着女子」で一躍脚光を浴びた“ゆとり社長”こと片石貴展さん(@katap_yutori)と、“#自撮り女子”で世の中に広く認知され、現在は複業コラムニストとしても地位を確立しているりょかちさん(@ryokachii)。個で活躍する“デジタルネイティブ世代”として、頭一つ抜きん出ている2人は、新しい価値観で社会にインパクトを与え続けています。

そんな2人の初対談が実現。今、彼らの目に写っているのは一体どんな世界なのでしょうか。

2人だから分かる、InstagramとTwitterの違い

――本日はよろしくお願いいたします! まずは、お2人が知り合ったきっかけを教えていただけますか?

片石:きっかっけは、いわゆる“ソーシャルナンパ”で、本当に数週間前の話です。

りょかち:会うのは今日で2回目(*)くらいですかね。

(*)……対談日は9月中旬

――かなり最近ですね。では、知り合われる前から、お互いに存在は認識していたと思うのですが、初めて「古着女子」を見た時、りょかちさんはどう思われましたか?

りょかち:「古着女子」って、いわゆるキュレーションじゃないですか。だけど、全体のトーンが揃っているし、Instagramのアカウントとサイトの雰囲気が似ていて、どうやってブランディングしているんだろうと思っていました

片石:そもそもみんなの写真が似ていたんです。ここでは古着クラスタと仮定しますが、小さいコミュニティの中に、後から僕らが共通点を見出したそうすると、逆にみんながこちらに寄せてきてくれるんです。アカウントを徐々に大きくして、いわゆるインフルエンサーを上手く共犯者にする形を作ることでバイラルする。それがInstagramというメディアだと思います。

りょかち:それで1つのカルチャーを作っていったと……。そういうことはInstagramだとよくあるの?

片石:少なくとも、“古着ならでは”ということではないと思うな。例えば、韓国が好きな女子には彼女たちの一定の世界観があるんです。それぞれのコミュニティごとの“トンマナ”ですね

――相乗効果というか、もともとの世界観から1つ大きな軸を抽出すると、周辺にいた人たちが集まってくるイメージでしょうか?

片石:そうです。密度がどんどん上がっていく感じ。
でもカルチャーを作るということなら、りょかちさんも「自撮り女子」という概念を広めたわけじゃないですか。僕は、掛け算が上手だなと思って見ていましたよ

りょかち:たしかに掛け算は意識していたかもしれない。大学生の時、Twitterに自撮りをあげたら、たまたまたくさんのいいねをいただくことができました。そこから、これ楽しい!と思っていっぱいあげるようになったんです。でもその時点では、“自撮りを公開している可愛い子”という感じだった。このままじゃ普通に終わってしまうな、と思ったんです

片石:埋もれてしまうな、と?

りょかち:そう。そこで、文章を書くのが好きだったから、自撮り女子というホットワードに乗っかる文章を書こうと思って、ブログをはじめました。

片石:じゃあ、もともと文章が好きでやってみたら、上手くはまったということなんですか?

りょかち:そうですね、同じように伸びた。当時、自撮り女子が流行っていた一方、ナルシストだという批判もありました。そういう現象を面白いと感じていたところがあります。Twitterは議論になるメディアなので、参加し合ってバイラルしていくんです。ここがInstagramとの大きな文化の違いなんだと思います。

0.7歩、0.5歩……先を行く感性の磨き方

りょかち:そういう決定的な違いがあるから、私はTwitterは得意でも、Instagramのアカウントは上手く伸ばせないんです。

片石:Instagramのアカウントはブランドを作ることに近くて、“誰が流すか”がすごく大事。発信者を共犯者にして、自分のアカウントが発信しているカルチャーを広げていく。最近でいうとファッションブランドの『Supreme』のモデルが近いんじゃないかな。知名度と供給量のバランスがいい意味で取れていないんです。限られたかっこいい人が着ていて、その他の人は手に入らない状態を作れれば、上層の“イケてる人”から、徐々に認知を広げていくことができる。同様にInstagramも、最初にアンバサダーとして立てる人を、その分野で認められている人にする必要があるんです。でもバランスが大事で、芸能人にしてしまうとマスとの距離が遠すぎるからダメ。そのコミュニティの中で支持され、憧れられていて、0.7歩先くらいを行っている人であることが重要なんです

――最初は、ちょっと敷居を高めに設定するんですね。それでいうと、Twitterはざっくばらんに誰でも参加しやすい空気感でしょうか?

りょかち:そうですね。その中でも、有名人にリツイートしてもらうのはもちろん大事なんですけど、バズを生むためには、0.7歩ではなく0.5歩くらい先を意識しています。あまり進み過ぎず、より近い距離が大事。

――それぞれ0.7歩、0.5歩先を行く感性って絶妙なものだと思うのですが、どのように培われているんでしょう?

片石:僕は小学生の頃からネットが身近にありました。SNSも自然とはじめていたので、感性を磨いたという意識はないです。ご飯を食べるのと同じくらい自然にインプットしていた

りょかち:SNSは、やっぱりやってみないと分からないと思います。バズりやすい法則もどんどん変わっていくし、プラットフォームごとに全然違う。今まで0.5歩先と思っていたことをやっていても、その距離感すら日々変わっていくこともあるくらいです。

“好き”を突き詰めることで派生した、2人のやりたいこと

――ちなみに、それぞれ好きなことを仕事にされていると思いますが、どういったこだわりをもっているのでしょう?

りょかち:文章が好きで書きはじめて、今は受け手がどんどん増えているのが、ただひたすら面白いです。上手に書くことには興味がなくて、みんなが反応してくれるのが面白い。

――褒められたいという欲求ではなく?

りょかち:みんなを知りたいという想いが強いです。承認という言い方をするなら、自分の考えていたことがやっぱり当たったな、という瞬間が承認になる。それが面白いから、書いているのかもしれないです。

片石:僕は洋服に触れる時間を長くしたかったんです。好きなものに長く関わっているためには、人が求める価値を創出することが必要。自分の好きなものを相手に分かってもらうために、どう翻訳したらいいのかを考えています。

――それは、古着の価値や良さを色んな人に伝えていきたい、ということになるのでしょうか?

片石:排他的なものが嫌いなんですよね。例えばミニスカートって、着る人を選ぶという意味では排他的だと思うんです。でも、古着ってシルエットがゆるいし、男性物と女性物の区分も曖昧。俺らだけしか楽しめないとか、私たちだけの世界というよりは、みんなで一緒に好きなものを楽しもうぜ!という感覚が僕の中にはあって、それが古着を通してだと伝えやすかったんです

――共感者を増やしていきたい、みたいなところ。

片石:同世代だと多いと思いますよ。俺はこれが好き、誰にも理解されなくていいというのは無理。なぜかというと、子どもの頃からSNSが身近にあって、発信したら受け手がいる状況が普通でした。一体感や評価、承認なしで自分の好きなことを語ることができる人ってほとんどいないと思います。繋がり過ぎている。でも時代的には自分の好きなことをやっていこうという風潮があるから、みんなそこでバランスを取っていますよね。その中で上手く乗りこなしている人が、頭角を現しているんじゃないかな。

――なるほど、面白い。りょかちさんはそれを聞いて共通していると感じることはありますか?

りょかち:実はタイプとしては真逆で、私は書くものには全然こだわりがないんです。それこそ、明日から卵焼きについて書けといわれてもいい(笑)。
テーマにこだわりはないけど、統一した主張はあります。それは、若者の気持ちを大人にも分かりやすく解説すること。私の文章は、最近の若者、若い女の子の意見、と解釈されることが多いけど、好きな人からのLINEを待つ時の“気持ち”は、ポケベルを使っていた時と変わらないですよね。今の若者もオトナたちも、時代が違っても本質的には一緒、ということを伝えたいんです。

続々と出てくる“デジタルネイティブ世代”について

――生まれた時からネットが身近にあった世代が、これからもっと進出してくるわけですが、そこに対抗する方法など、何か考えていることはありますか?

片石:ECサービスというところでいうと、D2C(*)もどんどん増えている。その中で、僕は逆説的に、需要を考えないことが大事だと思っています。すでに需要があるということは、プレーヤーが集まってきて、価格競争になって、最後は資本力がものをいいます。だから、合理的に考えた時点ですでに負け筋で、自分だけの掛け算や、好きだからやる、まだ需要は顕在化していないけど、自分は可能性を感じているからやっていくくらいでないと難しい気がします

(*)……Direst to Consumerの略。消費者に対して生産者が直接商品を販売する仕組みのこと。

りょかち:私の場合は興味がどんどん分散していくので、新しいことに挑戦するようにしています。そうやってどんどん上位概念にいくようにしてきた。最初は自撮りという小さいワードからはじめて、SNSからマーケティングへ。最初に小さい山を取って、取れたら次を狙いに行く感じで、どんどん自分が狙うところを大きくすることを意識しています

――変化し続けるインターネットの世界で、自分を発信し続ける上で、変化することなく信じているものってなんですか?

片石:人生で半分以上それが好きだった自分を信じてる。ファッションのことを日々考えている自分だから、次の一手も自信を持って挑戦することができる。

りょかち:私は真逆ですね。自分の中に答えがないことを信じてる。私は人を観察するのが好きだから、ひたすらリサーチをして先に、世の中が求める答えがあると思ってます。

SNSを使って、“好き”を仕事に

アプローチの方法こそ違えど、SNSを駆使してそれぞれに自分の“好き”を仕事にした2人。
気付いた時には近くにあったSNSも、自分たちなりの掛け算を駆使することで、他を圧倒する存在感を放っています。しかも、そこに競争心はみじんも感じさせません。それは一重に、彼らがただ“好き”なものを突き詰めていっているからこそ醸し出される空気感なのでしょう。

(文:あまのさき)

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