「全然モテなかった」古川雄輝の意外すぎる過去と、どうしても悪役を演じたかった理由

「我々に必要なのは 決して成長することのない鉄の少女」
「そうか 薔薇だ……薔薇が必要だ!」
なんという、現実味のないセリフ。

古川雄輝が『ライチ☆光クラブ』で演じた、いかにも漫画的な“ゼラ”というキャラクターは、映画という三次元の空間でも、抜群にクレイジーだった。

「光クラブ」の華“ゼラ”と“ジャイボ”にインタビュー

古屋兎丸による、熱狂的人気を誇るロングセラーコミックを映画化し、2016年2月に公開される『ライチ☆光クラブ』。
漫画でも映画でも、圧倒的な存在感を放っているのは、なんといっても“ゼラ”と“ジャイボ”のコンビだ。
才気とカリスマ性で少年たちを統べる帝王“ゼラ”と、女性のような美しさを持ち、残虐で、掴みどころのない“ジャイボ”。
二人の親密な関係性は物語のテーマにおいて非常に重要であり、この二人の演技が作品の出来を左右するといっても過言ではない。

そこでソーシャルトレンドニュースでは、“ゼラ”を演じる古川雄輝さんと、“ジャイボ”を演じる間宮祥太朗さんにそれぞれ話を伺った。

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本記事では、古川さんが「一番演じたかった役」と語る理由や、その容姿からは想像できない、“モテなかった”という意外すぎる少年期についてなど。インタビューを通して感じられた、等身大の古川雄輝を紹介する。

古川雄輝が“ゼラ”を演じたかった理由

――今回の役はオーディションで自ら選んだそうですが、なぜ“ゼラ”を選んだんですか?

「“自分はゼラだ”というよりも、“ゼラがやりたい”と思ったんです。
今までは少女漫画作品や学生役が多くて、役者のイメージが固定してきてしまったんです。それを壊すためにも、こういう役がやりたかったので、選びました」

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――確かにこれまでは少女漫画の王子様のような役が多かったですが、役者としての幅を広げたいということでしょうか?

「僕が20歳くらいだったら気にしないと思うんですけど、実際の年齢は28歳なので、いつまでも少女漫画作品ばかりやっているわけにはいかないんですよね。次のことを見据えて準備するというのがすごく大切だと思っているんです。

なので、一回こういう役をやったりして、イメージを壊していって……30代に突入した時も、しっかり役をもらえるような俳優でいるっていう準備をすることが、僕にとって今やるべきことだと思っています。
だからこそ、今回の役はファンの方たちにこそ、観ていただきたいです」

「薔薇が必要だ!」難役“ゼラ”のテクニカルな役作り

――“ゼラ”と“ジャイボ”の絡みのシーンについては、美しく見せなければいけない一方で、観る側が萌えすぎてもいけないという、絶妙なラインだったように思います。演じている時、古川さんはどういった気持ちだったのでしょう?

「もしかしたら、今おっしゃったことと逆かもしれないです。
少女漫画作品こそ、美しく見せなければいけないというか。女性をターゲットにした男女のキスシーンでは、例えば舌を相手の口の中に入れちゃうと、美しいラブストーリーに見えなくなってしまう。

でもこの作品はラブストーリーではないので、逆にそこまでやっちゃっていいんです。少女漫画作品だと、美しくキスをする、そういう角度をすごく気にしてやるんですけど。この作品の場合は、いかに“エロく”見せるかがポイントなので、美しく見せるっていうのは、僕は気にする必要はありませんでした。ジャイボだったら気にするかもしれないですけどね」

――クライマックスで“ゼラ”は狂ってしまいますが、一歩間違うとギャグにもなりかねない難しいシーンだったと思います。どうやって役作りされたのでしょう?

「テクニカルな部分でいろいろ考えましたね。
例えば同じ“怒鳴っている”でも、座って怒鳴っているのと、歩いて怒鳴っているのと印象が違いますよね。ここの現場は広いから、もうちょっとあっちまで歩いてみようかなとか、ここは、誰かをぶん殴ってみようかな、とか」

――それは監督の指示もあったんですか?

「いえ、今回は動きとか演技は、全部自分でアイデアを出して、監督からOKをいただきました。それに合わせてカメラマンさんも動いてくださったんです。やっぱり怒鳴ったりしているだけで狂っているように見せるのは非常に難しいので、いろいろ見せ方を考えています」

――以前の作品から、いろいろ考えて演じるタイプだったんですか?

「この役は特に考えました。ある程度練らないと……狂っているシーンもセリフだけを読むと、かなり難しいことを言っているんですよね。漫画で読むとそうでもないんですけど、これをリアルの世界で言うと難しくて。
『薔薇が必要だ!』とか、何を言ってるんだこの人……っていう。そういうのは難しいですけど、なるべくリアルな世界で成り立つように頑張ってみました」

「モテたいは全世界共通」意外すぎる古川少年の過去

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――古川さん自身は14歳の時、どういった少年だったのでしょう?

「もう、モテることしか考えてなかったですね」

――え!? ちょっと信じられないですね。

「そんなもんですよね、14歳って。いかにモテるかってことだけを、ずっと考えていました。でも本当に僕、学生時代って全くモテなくて。だから考えていたのかもしれないです」

――ちょうど14歳というと、海外にいらした時期ですよね? “モテたい!”というのは日本男子特有かと思っていましたが、海外でも変わらないですか?

「全世界共通で、男子は変わらないですよ。14歳くらいになってくると、みんな女子を意識しますから」

――ちなみに、その“モテたい!”というのは何歳くらいまで続いたんですか?

「いやもう、今もそうですよ。モテたいです。常に」

――今はもう、考えなくてもモテるんじゃないですか?

「“モテる”の基準にもよりますよね。ファンの方がいっぱいいるっていうのは、モテるとはまた違いますから。そういう意味でいうと、常にモテたくて頑張ろうとはしています(笑)」

――具体的にどんな状態になったら“モテた!”と思えるんですか?

「告白される、とかですかね……。でもそういう経験がほぼないんです。
学生時代に女性の方と話す機会なんてほぼなかったですし」

――ミスター慶応グランプリに輝いた時も、モテたとは違うんですか?

「あ、それは、その日“だけ”モテるんですよ。すごい不思議なんですけどね。
僕、ダンスサークルに入っていたので、ミスター慶応になる前日にフライヤーを配っていたんですけど、女子高生に配っていたら、彼女たちの反応が『は?』『なんだよ、おっさん』みたいな感じだったんです(笑)。でもその次の日ミスター慶応になったら、女子高生がブワーーーって寄ってきて、その日限定でモテるんですよね。それ以降、(その冠が)役に立ったことは、あんまりないです」

海外での経験から語る、日本との違いと共通点

――古川さんは海外での生活も経験されていますが、『ライチ☆光クラブ』のような発想って、日本人的な感性なのかなという気がします。いかがでしょうか?

「ああいう発想は、海外の人はないかもしれないですね。
まず、漫画の文化が日本は優れすぎていて、こういう“漫画でしか描けないんじゃないか”っていうシナリオ作りが日本人はすごく優れていると思っていて。だからこそこういう作品ができるというか。
海外の人の考え方とはまたちょっと違いますし……BLに萌えを感じる女性がいるっていうのも、日本特有だと思います。
日本の文化が詰まっているので、海外でも上映会とかはやっていますけど、またちょっと違ったリアクションが返ってくると思いますね」

――14歳くらいの思春期って、日本の子は悶々と抱えた思いを、例えば隠れて詩や小説を書くというような行動をとりがちな気がするんですが、海外の子はそうでもないのでしょうか?

「結構みんなそこら辺は大人ですね。ダンスパーティーとかあるので、“一緒に行こうよ”みたいな感じで付き合ったりします。
そういうところは日本の中学生よりもちょっと大人なんですが、基本的にアジア人はモテないです。だから僕は、そういうのはなかったですね」

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――その14歳の頃があって、モテたいという気持ちが続いてきた感じなのでしょうか。

「いやいや、もうそれは全男性そうでしょう。 “私は関係ないです”みたいな男性がいたらずるいですよ(笑)」

――そうですよね……。男性は常に「モテたい」って話をしていますからね。古川さんもそのひとりで、安心しました(笑)。

今後やってみたい役は、とにかく……

――役者としていろいろ幅が広がっている時期だとは思いますが、自分にとって『ライチ☆光クラブ』の位置づけというのは?

「自分の印象を変える、重要な作品で、かつ、一番やりたかった役である作品です。
悪役がやりたかったっていうのもありますし、クレイジーな役がやってみたかった。それに巡り合えたので非常に嬉しいです。
悪役って、自由に動ける分、楽しい。やっていておもしろかったですね……。なので、今後もこういう役をいっぱいやりたいですね」

――では最後に、悪役“以外”でも、今後やってみたい役を聞かせていただけますか?

「ないんですよねえ……。とにかくこういう、ちょっと頭イッちゃてる役です」

28歳、等身大の男性としての未来の考え方

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「全くモテなかった」という話は意外すぎて衝撃だったが、30代以降のキャリアプランをしっかり考えている話がとても印象的だった。

古川さんといえば端正なルックスとスラリとしたスタイルで、どこか現実味のない男性というイメージ。外見の印象は、実物を前にしても変わらなかった。しかし中身に関しては、それとは逆に、等身大の28歳の男性を垣間見た気がした。

28歳といえば、一般的には社会人7年目の世代。作中、少年と大人の転換期として描かれる“14歳”からすれば、ちょうどダブルスコアだ。これからの未来を現実的に考える人も多い世代であり、もう一度、“大人への転換期”として悩むタイミングとも言える。その点、古川さんも同世代の男性たちと同じように、「これから先もこの職業で輝くためにどうするか」を真剣に考えているところなのかもしれない。

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古川さんが「一番やりたかった役」と話す“ゼラ”のクレイジーな悪役っぷりが見事な映画『ライチ☆光クラブ』は、2016年2月13日(土) 新宿バルト9ほか全国ロードショー。

主演:野村周平、古川雄輝、中条あやみ、間宮祥太朗、池田純矢、松田凌、戸塚純貴、柾木玲弥、藤原季節、岡山天音
監督:内藤瑛亮
脚本:冨永圭祐、内藤瑛亮
原作:古屋兎丸「ライチ☆光クラブ」(太田出版)
配給・宣伝:日活  制作:マーブルフィルム
©2016『ライチ☆光クラブ』製作委員会
公式HP:http://litchi-movie.com/

(取材:霜田明寛・佐藤由紀奈 文:佐藤由紀奈 写真:浅野まき)

*“ジャイボ”を演じる間宮祥太朗さんのインタビューは明日1月26日(火)配信予定!

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