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芸能人並み人気も…高校生のカップルアカウントが大量発生中 新世代リア充のSNS常識とは

たなか もみこ

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たなか もみこ

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突然ですが、今年は2016年ですね。ということは、21世紀の始まりである2001年生まれも既に15歳ということ。つまり、現在の高校生たちの中には21世紀生まれがいるのです。何気なくTwitterを見ていると、2000年生まれの高校生のユーザーが大勢いることに驚くときが多々あります。

おそらく今いちばんSNSを使いこなしているであろう高校生は、ある調査で平均3.1個のTwitterアカウントを持っているという結果が出ています。その3.1個の内訳として、表アカウント・裏アカウントの存在は以前も紹介しましたが、その他に、世にも気妙な「カップル共同アカウント」というものがあるのをご存知でしょうか。

カップル共同アカウントとは?

カップル共同アカウントはその名の通り、カップルがTwitterアカウントを共有して更新するもので、「○○共同垢」、「○○couple(略してcp)共同垢」、「○○夫婦共同垢」というようなアカウント名で登録されています(※「アカウント」は略されて「アカ」となり、「垢」と書かれることが多い)。アイコンにはカップルである2人のプリクラや写真が用いられます。

▼例1、○○cp共同垢
TwitterCP1

▼例2、○○couple
TwitterCP2

そしてカップル共同アカウントはどのように使われているかというと、デートの報告や、彼氏から彼女へのメッセージ、またその逆へのメッセージ、記念日報告といった、2人の個人LINEでやってろよ!とツッコミたくなるような他愛のないものが主で、MixChannelで投稿したラブラブ動画でたくさんのフォロワーがいるカップルもいます。

MixChannel参考記事
ひとりぼっちのクリスマス 高校生カップルのラブラブ動画から学ぶもの~前編~
ひとりぼっちのクリスマス 高校生カップルのラブラブ動画から学ぶもの~後編~

▼例3、記念日ツイート
TwitterCP3

▼例4、彼氏から彼女へメッセージ
TwitetrCP4

カップル共同アカウントの中には4ケタ規模のフォロー・フォロワーとのやり取りがある猛者も。また、「○○cp応援アカウント」や、個人アカウントからも「○○cp応援してます!」といったツイートがあって、まるで芸能人のようです。さらに、多くのフォロワーを持つカップルは企業からPRの仕事の依頼が舞い込み、お金儲けにも繋がっているカップルもいるそうです。

▼例5、フォロワー700人突破記念ツイート
TwitterCP5

▼例6、○○cp応援垢
TwitterCP6

▼例7、「○○cp応援してます!」ツイート
TwitterCP7

これを見た前世紀生まれの女子大生の反応

筆者はこのカップル共同アカウントの存在を知った瞬間、「高校生なんて、誰誰が付き合った・別れたといった話題がいちばん多い時期なのに、こんなに逐一ネット上に流してたら現実世界も生きづらくなるだろ! 理解できん!」と、ちゃぶ台をひっくり返しそうなくらいの衝撃を受けたのですが、他の女子大生はどう思うのか、筆者と同じ大学に通う20世紀生まれの女子たちにも聞いてみました。すると、

「不思議……これって応援されてるから付き合い続けてるのかな?」(21歳・女子大生)

「“cp”って腐女子用語だから! BLカップルに使うやつだし!」(22歳・腐女子)

「そもそもカップルが2ショット写真をネット上に晒してるのが無理。気持ち悪い。」(23歳・彼氏持ち)

とのこと。やはり、カップル共同アカウントは前世紀生まれの女たちに到底理解できるものではないようです。

そして、カップル共同アカウントには付き物の、「別れたらどうするの?」という疑問。これも21世紀生まれのピチピチリア“獣”たちは、SNS上で答えを出してくれていました。

「〈別れました〉アカウント」

試しにTwitterで「別れました」と検索してみると……やっぱりありました! 少し検索しただけで「別れました」というアカウント名で登録されているアカウントを100件近く発掘しました。最新「〈別れました〉アカウント」にはプロフィール欄に「共同垢!since2015.○○のことだいだいダイスキ…(ハート) 絶対幸せになる!」という文言が……ああ、切ない。これがカップル共同アカウントの残骸です。

TwitterCP8

他にも、プロフィール欄に「別れました」、「フォロー外してください」、「友達に戻ります」などが書かれており、2人の写真だったはずのアイコンは真っ黒か真っ白か、宇宙の画像に変更されています。

TwitterCP9

「〈別れました〉アカウント」は鍵がかかっていたり、ツイートが全部消去されているものも多いのですが、中には、かつて「共同アカウント」だったときのツイートがそのまま放置されていたり、「離れてみて、あなたの存在の大きさを改めて知ったよ」というような彼女から彼氏への未練ツイートが更新され続けていたりするものもありました。

そして、かつて「共同アカウント」だったときのツイートが放置されているものを辿ってみると、「4カ月記念日♡」というキスプリのツイート以降、「ケンカしたけど、仲直りした。また絆が深まったね!」というツイート、「みなさまお騒がせしました!今は元通りです!」というツイート、そして「別れました。今までありがとうございました。」というカウントダウンを見ることができます。これらを見ていると、やっぱり他人の不幸って蜜の味だなと思います。しかし、キスプリやイチャイチャ動画が別れた後もネット上に公開されたままでいいのでしょうか……?

さて、ここまでは20世紀生まれの古い人間には不可解な「カップル共同アカウント」とその残骸としてインターネット上の宇宙ゴミと化した「〈別れました〉アカウント」を紹介しました。以上で分かったことをまとめると。

・「付き合ってる」「付き合ってない」を周辺の友人たちに把握して欲しい。←分かる
・リア充アピールをしたい。←まあ、分かる
・多くの人(赤の他人)に知ってもらいたい。←分からん
・多くの人(赤の他人)にいいね!してもらいたい。←分からん

なんとなく、今の女子大生なんかよりもずっとずっと大きな穴を抱えていて、より多くのいいね!を集めないと承認欲求が満たされなくなってしまっているのかな、と感じました。でも、高校生なんて大抵、黒歴史製造期間なので、時代がSNS中心の生活にシフトしただけで、私たちが通ってきた道と何ら変わりのないことなのかもしれません。

ちなみに「〈別れました〉アカウント」を追っていく中で、別れの原因が分かるものもありました。それはまさにSNSの申し子的なTwitterの利用方法で、「恋人が○○になりきって△△をする」ということだったのですが、それは次の記事にて紹介します。

(文:たなかもみこ)

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