「私、インフルエンサーとして活動しています!」
という自己紹介をする新入社員が実際に現れたくらいには、一般的になってきたともいえる「インフルエンサーマーケティング」。
今後はより一層、企業とインフルエンサーとが互いに理解し、共感しながら密な関係性を築くことが重要だといわれています。
いまやマーケターや広告業界の人間にとって、「個々のインフルエンサーを知る姿勢」というのは、施策を表層的なもので終わらせないために、必要不可欠になってきているのです。
インフルエンサーにいろいろ聞いてみた!
ソーシャルトレンドニュースでは、インフルエンサーとして企業のPRにも参加している人たちにインタビューを実施。
インフルエンサーってどうやって仕事しているの?
何を大事にしている人たちなの?
気になるアレコレを紹介していきます!
見る専だったのに、いつの間にかインスタに支配!?
今回、お話を聞いたのは、神戸でフリーランスモデルとして活動している@mi_yan0101さん。
フォロワーは35,000人を超える人気インスタグラマーです。
早速、mi_yan0101さんにお話を聞いていきます。
◆インスタグラムを始めたきっかけは?
「実は自分が更新する目的というよりも、友達のインスタをちょっと見るために始めたんです。
当初は全然興味なかったので登録していなかったんですが、周りがみんなFacebookからインスタに移行していて、あまりにもみんな始めていったので、乗り遅れるかなと焦って始めた、という感じでした。
もともと、SNSはそんなに頻繁に更新しているタイプではなかったんです」
◆普段はどんな生活をしてるの?
「基本はインスタのことを考えて行動していますね(笑)。
たとえばカフェに行く時、『どっち行く?』となったら、やっぱり写真映えする方を選びます」
「私はファッション関係の投稿のご依頼をいただくことが多いのですが、その服と合わせるアイテムを何着も外に持って行って、トイレで着替えて一気に5着くらいコーデ画像を作る……なんてこともよくしています。
そんなことしていたら、1日があっという間に終わっちゃうんです。
もともとはあまり興味なかったのに、気づいたらインスタに支配されていたんですよね……!」
好きな仕事のためには、フォロワーファーストな投稿
◆フォロワーはどんな人たちが多い?
「20代くらいの女性が多いのかなと思います。
同世代が中心だと思うのですが、でも意外と10代の方もいるみたいだって、最近気づきました。
成人式のシーズンの時に、『このヘアアレンジ使いたいんですけど、前後の写真ありますか?』といった質問をもらって、結構若い人も見てくれているんだなーと思いましたね」
◆普段はどんな投稿をしているの?
「女の子が興味ありそうなことを中心に、グルメやファッション、プライベートでのお出掛けなど、ジャンルにとらわれずに、自分がいいなと思うものを何でも投稿するようにしていています」
「最近だと、メイク動画やオススメの化粧品をよく紹介していますね。
以前はモデルとして撮ってもらった時の撮影データをアップすることが多くて、投稿内容もファッション系だったんですけれど、最近は美容系の投稿を意識しています」
◆メイク動画をアップするようになった理由は?
「女の子からのDMで、『化粧品は何を使っているんですか?』という質問をいただくことが多くなってきたので、それにお応えする形で、頻繁に投稿するようになってきました」
「先ほどフォロワーさんは20代の女性中心と言ったのですが、実は男性の方も比較的多くて、それはそれで素直にすごく嬉しいですね」
「でも本音は、女の子のフォロワーさんをもっともっと増やしていきたいというのがあります。
やっぱり同性人気が高いと、いただく依頼の内容ももっと変わってくると思うんですね。
女の子にとって、もっと知りたいと思う内容を普段から投稿していたら、いい方向に自分がやりたいと思うお仕事が増えるんじゃないかなと思ってやっています」
インスタグラマーのこだわりテクニック公開!
◆おしゃれな情報は、どうやって集めているの?
「『C Channel』は結構見ています。
あとは『17kg(イチナナキログラム)』という韓国のファッションサイトがあるんですが、そこであったり、韓国コスメを紹介する姉妹サイトの『wooyou』だったり、そういったところのインスタアカウントをチェックして、そこからいろいろ検索していくというのが多いですね」
「トレンドだけじゃなくて、写真の撮り方なんかも勉強しています。
韓国の情報は、可愛いし、インスタ映えするし、女子ウケもいいんですよね」
◆ハッシュタグはどんな工夫をしている?
「ファッションはファッション用、自撮りは自撮り用でお決まりのタグを作っています。
あまり英語ばっかりのタグにしちゃうと日本人の方が検索しにくいので、日本語と半々くらいになるようにしつつ、設定できる最大の30個までなるべくつけるんです。ハッシュタグの選び方や数で、インプレッション(表示回数)はかなり変わります!」
「ファッションだったら投稿数の多い『#シンプルコーデ』『#今日のコーデ』『#大人カジュアル』あたりをベースにしながら、他にどんなワードなら検索率が高いかっていうのを、Googleで検索したりして決めています」
◆投稿までにかける時間は?
「投稿内容にはこだわる方なので、1つの投稿をするだけでも、時間がかかります。
タグはある程度決めているのでコピペでいけるんですが、写真を撮って編集するのも時間がかかりますし、依頼があって何かを紹介する時は、『あれも入れなきゃ、これも入れなきゃ。でも上手く宣伝感のないように……』と、文面をかなり工夫しなくちゃいけないので、悩みます。それだけでも20分はかかっていますね」
◆撮影や加工でよく使うアプリは?
「写真を撮るのはほとんど『Foodie』。
それで撮ったらもう大体オシャレに撮れるんですけど、そこから彩度を上げたり、人が紛れ込んでいたら目線のところを消したり……といった編集は、全部『LINEカメラ』でしています。
あとは肌の滑らかさを整えたい時は、『BeautyPlus』を使うかな」
インスタグラマーにとっての「PR投稿」
◆お仕事はどうやって受けるの?
「私の場合は、お仕事はほとんどインスタのDMからいただいています。
最初も、『こういうコスメがあるんですけど、紹介してくれませんか』とメッセージをもらったのがきっかけでした。
今はいろんな案件を紹介してくれる会社さんにいくつか登録しているので、そこからも毎月何件かお仕事を受けています。登録している数でいったら、20くらいはあるかも……!?」
◆PR投稿はどれくらいやっている?
「11月~12月はどこもすごくご依頼が多くて、ちょっと受けすぎてしまったと反省しました。
後で自分のインスタを見たら商品ばかり紹介していて、『ちょっと宣伝っぽくなっちゃったなー』と……」
「インスタグラムは1日3投稿って決めているんですけれど、3投稿のうち2個も宣伝的な投稿が続いてしまうと、フォロワーさんも不自然に感じてしまいますよね。多くとも、1日1個が限度かなと思っています」
◆PR投稿って、大変じゃない?
「自分からお仕事を応募する時は、本当に欲しいと思った商品にしか応募しないので、インスタで紹介するのは全然苦じゃないし、そんなに難しいとも思わないです。
でも応募型ではなく、DMだと自分が興味を持てないようなものなのに、『どうしてもあなたに投稿してほしい』という依頼がくることもあります。
それはやっぱり、どんな有名な企業だとしても、イメージとそぐわなければお断りしています」
◆これまでやったPR投稿で思い出深かったのは?
「この前、一人旅をしながらフォトジェニックスポットをまわって撮影をするというご依頼があったんです。
私は神戸と京都を回ったんですが、それはお仕事というだけじゃなく、私自身が心から好きだと思う写真が撮れるっていうメリットもすごくありました。
インスタグラマーが撮った写真という形で企業さんのホームページに紹介される予定なのですが、自由度が高くて、すごく楽しんでできた仕事だったので、こういうのがもっとできたらいいなと思います」
インスタグラマーになって、自分らしさを取り戻した
「私、以前は病院で働いていたんです。
でも朝が早くて、夜も11時くらいまで仕事していたので、体力的にも精神的にもすごくしんどかった。
学生時代からちょこちょこ続けてきていたモデル業と両立していたんですが、どんどん仕事が辛くなってきてしまって……」
「『今しかできないことって、どっちだろう』と考えた時に、ちょっと休んでみようかなって思ったのが、インスタグラマーとしてお仕事をするようになった最初のきっかけなんです。
もともとは新しい職業を探しながら、ちょこちょこやってみようかな、というくらいのつもりでした。
でも今のお仕事って、自分で時間を決められるし、家でできる仕事の方が多いので、融通が利きます。
以前に比べると、気持ち的にすごく楽になりました。自分に合っていたなって、今は思います」
取材協力:@mi_yan0101
(文:ソーシャルトレンドニュース編集部)