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マジメか!ギャップありすぎDA PUMPメンバーのダンス美学とは

あまの さき

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あまの さき

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YouTubeでミュージックビデオが公開されるやいなや、CD発売前にもかかわらず中毒者が続出したDA PUMPの『U.S.A.』。若者にとっては耳なじみの薄いユーロビートに合わせて、一流のダンサーたちがコミカルな振付を真剣に踊る姿が、“ダサかっこいい”と大きな話題になりました。

ただ、アラサーど真ん中の筆者にとっては、DA PUMPはクールにストリートダンスを踊るかっこいいお兄さんたちの代名詞。“ダサかっこいい”なんて言われて、一体どんな気持ちなの……? ご本人たちに直接お話を聞いてみることに!!

「初めて『U.S.A.』を聴いた時は、震えた」

▲この日インタビューに応じてくれた『U.S.A.』振付担当のKENZOさん(左)とTOMOさん(右)

――この楽曲を初めて聴いた時、どう思われましたか?

KENZOさん「震えましたね(笑)。パンチラインもそうですが、歌詞も半端じゃない。『U.S.A.』って連呼してる上に、『C’mon, baby アメリカ』って……!」

――かなりインパクトがありますよね(笑)。振付も大変だったのでは?

TOMOさん「今までユーロビートはやったことがないから、どこからアイデアを出してこようかな!?とは思いましたね。この楽曲を、僕たちが今までやってきたストリートスタイルで表現するには、どうしたらいいんだろう?と」

――振付がまとまるまでには時間がかかりましたか?

KENZOさん「いや、そうでもないですね。最初は戸惑いましたが、『U.S.A.』はスケジュール的にパツパツだったので、TOMOさんと2人でやったのは、実は1回だけなんですよ」

――たった1回……! ものすごく短期決戦だったんですね。

KENZOさん「それぞれで骨組みを作って持ち寄って、組み立てていった感じですね」

動画再生数2,000万回超え 人気のダンスが生まれるまで

――振付に関して、今回の肝はサビの部分の“いいねダンス”だと思うのですが、これはどんな経緯で取り入れたんですか?

TOMOさん「楽曲自体はどちらかといえば古めのユーロビートというトラックだったので、新しい動きを掛け合わせた方が面白いんじゃないか?という話になったんです。
そこで新しい動きとして想起したのが、“いいねダンス”のもとになったシュートダンスです。これはアメリカで実際に流行っている現場を目にしていたので、面白いなって」

――もともとはフットボーラー達の動きが発祥なんですよね。

TOMOさん「そうなんです。ダンサーだけでなく、色んな世代が男女関係なくやっていたんですよ!これがとにかく楽しそうで、みんなで踊ってSNSに投稿して……“みんなのもの”というオープンな空気。これは絶対みんなでやったら楽しい!って思っていました。
それを思い出して、『ここはシュートじゃない?』と提案したんです」


KENZOさん「色々試しましたが、結局サビを全部シュートにすることにしました。シュート推しまくりです!」

TOMOさん「あとは、“驚異のインベーダーフォーメーション”ですね。シュートが最新のダンスなので、バランスを見て、M.C.ハマーの動きを取り入れよう、ということになり……」

KENZOさん「みんなでやってみたらぴったりだったんです。その場でいくつかフォーメーションを試してみた結果、偶然にもインベーダーのような振りが生まれました(笑)」

――楽しそうな様子が浮かびます(笑)。

「上手く踊らなくていい」 楽しむことが、ダンスの本質


――私も踊ってみたのですが、やってみると難しいですよね、“いいねダンス”。

KENZOさん「そう思う方もいるのかも。でも、間違っていてもいいんですよ!
個人的に思うのは、ダンスは上手いのが全てじゃないということ。下手でも一生懸命やっていることに美しさがあるし、それこそみんなで楽しそうに、『うぇ~い』って盛り上がっているだけでもいいんです!それがダンス!」

――たしかに、踊ってるだけで楽しいですよね。とはいえ、やっぱりカッコつけたい!上手に踊りたい!という人に、アドバイスをお願いします。

KENZOさん「うーん、そうだな。僕、ダンスを教えてもいるのでちょっとマジメな話になっちゃいますが、一般的に、脳からの『動け』という指令が身体へ伝達するのに0.5秒かかるといわれています。そのラグをなくしていくことが、ダンスを上手く踊るということ。でもそれには、やっぱり経験が必要です」

――たくさん踊る必要がある、ということですね。

KENZOさん「だからこそ、まずは楽しく踊ってほしいんです。ダンスをするなら、自分が好きな音楽のジャンルでやってみることが、上達の近道だと思いますよ

――“楽しく踊る”の本質が理解できた気がします……! 早速やってみます!

DA PUMPが20年間で積み重ねてきたもの

――『U.S.A.』に話を戻すと、先日ご出演されていたCDTVの生放送でのアドリブも話題となっていましたよね。

TOMOさん「ISSAくんが曲中に荻野目洋子さんの『ダンシングヒーロー』を踊りだした“アレ”ですね(笑)」

KENZOさん「アレには震えましたよね(笑)。メンバーにも何もいわず、本当に突然のことだったので……」

TOMOさん「あれはやっぱりISSAくんの芸の成せる技ですよ。生放送ですからね。僕たちの出番の前に荻野目さんの話題は出ましたが、それを汲んで振りを入れてくるという……さすがの度胸というか!」


――ISSAさんの芸歴あってこそ、ということですね。

TOMOさん「僕たちにとっては、ああいった生放送の大舞台は初めてだったので、緊張して気合も入っていたわけです。それをあえて外してくる、ISSAくんだからこその凄みですよね」

――Instagramに、有名人の方々と“いいねダンス”をしている様子がアップされているのも、ISSAさんの交友関係の広さゆえなのでしょうか?

TOMOさん「ISSAくん含め、僕らが積み上げてきたものがあるからかな。『お前らやっときたな』という空気を感じることがあります


TOMOさん「僕らがDA PUMPに加入して10年、ISSAくんは20年続けてきて、ここまで下火時代も経験しました。その間の頑張りを汲んでくれているというか……。有名人の方が応援ムードになってくれているのはありがたいですね。今までやってきたことが少しずつ形になっていると感じています」

“ダサかっこいい”は「ありがたい」!?

――今回の楽曲が“ダサかっこいい”と話題になってることについては、どう感じていますか?

TOMOさん「めっちゃありがたいと思っていますよ!
根底にあるものは、自分たちが楽しみつつ、今までやってきたダンスをレペゼンしながら伝えること。そこは変わらず、真剣にやっているだけなので、“ダサかっこいい”というワードをチョイスしてくれたってことがありがたいです

KENZOさん「一生懸命やっていることを、見てもらえるというのが嬉しいですよね」

――真剣にやっているからこそ、ということですね。

TOMOさん「僕たちが恥ずかしいと思いながらヘラヘラやっていたら、きっとこんな言われ方はしなかったんじゃないかと思います。高いレベルで踊れる人たちが本気のテンションでやっていたからこそ、こういう風に言ってもらうことができたのかなと」

――実力派ぞろいですもんね。KENZOさんは8年連続で世界大会優勝も経験されていますし。

KENZOさん「8年連続で、回数でいえば11回優勝しています」

TOMOさん「これは本当にすごいんですよ!」

KENZOさん「いやー、自分でいうのもなんですけど、前人未到だと思います(笑)!」


――今後も大型の音楽番組への出演が続きますが、目標などはありますか?

TOMOさん「そうだなぁ。運動会や忘年会など、身近なところでみんなが楽しんで踊ってくれたら嬉しいですね!」

KENZOさん「あ、もう運動会で踊ってくれる小中学校、あるらしいよ。僕のダンススクールの子どもたちから聞いた」

TOMOさん「え!? あるの? 初耳なんだけど! いってよ~!!」

――KENZOさん、いってなかったんですね(笑)。

TOMOさん「もう叶っていたみたいなので(笑)、そんな風に、多くの人に知ってもらって、みんなで『U.S.A.』を共有できたら嬉しいですね!」

今後のDA PUMPから、目が離せない!!

B系ファッションの中に包まれたTOMOさんとKENZOさんのダンスに対するマインドは、とにかくマジメ!! “ダサかっこいい”といわれることへの感謝の気持ちももちろんですが、ダンスへの愛情をたくさん感じるインタビューとなりました。

1度やってみるととにかく楽しい“いいねダンス”。今年のイベントの定番曲になることは、間違いありません。

(文:あまのさき)

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