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大学留年の親不孝ライターが男泣き “父親と飲みたくなる”エンタメ映画『ジャッジ 裁かれる判事』

小峰克彦

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小峰克彦

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ポスターイメージを観ると“重厚な人間ドラマ”という印象の映画『ジャッジ 裁かれる判事』。どっしりと構えた画に、深みあるキャラクターは、年配の方にも楽しんで頂けそうだ。

けれども本作を拝見した、23歳の筆者としては“就職して間もない若者”や“反抗期の真っ最中の高校生”“親元を離れた大学生”などに観ていただきたいと強く感じた。若者にこそ刺さるエンターテイメント作品だったのだ。

“大人になった後の兄弟の関係”“昔の彼女との再会”など、人生揺るがす問題をいくつも描く本作の中から、プライドのせいで和解できない親子関係について紹介したい。

作成者:ワーナー エンターテイメント ジャパン

■堅物父さんと毒舌息子の“法廷外のバトル”も見ごたえがありすぎる

本作の見どころは予告篇であるような裁判のシーンのみではなく、絶縁状態だった父親と主人公ハンクの関係性だろう。
“常識を重んじる父”に頭を抱えてきた若者は、父の老後に備えてメモを取ることをオススメしたいぐらいだ。
一方、“型にハマることを嫌う息子”をもった父親からしたら、知ったような口ばかりきく青二才の息子を思い出して苛立ってしまうかもしれない。

父・ジョセフは長年、人々から絶大な信頼を寄せられてきた判事。そんな彼が、愛する妻の葬儀の翌日、殺人の容疑をかけられる。裁いてきた者が、引退直前に裁かれる人間になってしまったのだ。

ジョセフのプライドはズタズタである。息子・ハンクもまた弁護士としての瞬間はプロとしてきびきびと遂行しているが、家に帰り息子としても接する時、いかなる時も自信満々な彼も戸惑いをみせる。長年向き合ってなかった二人は昔の悪い関係性もあって、溝は深まる。

■毒舌息子で高給取り 弁護士ハンクの“非常識”な魅力

現在は “金で動くやり手弁護士”として勝利を重ねるハンクだったが、若い時にはヤンチャをしていた元非行少年だった。彼はその後一流大学を首席で卒業していることが描かれる。元不良のサクセスストーリーが飽和するエンタメ界の中でも、抜きんでる脅威的な更生である。しかし、そんな息子を父ジョセフは未だに認めてくれない。
おそらく非常識な価値観からくる毒舌な弁護術も肌に合わなかったのだろう。
人と同じ道を通ってこなかったハンクには、多くの常識人には読めない言葉が読める。人間関係や、はりぼてだけの空気などを見抜いて、そのさまを言語化できるのだ。それが彼の非常識ゆえの魅力である。

逆にハンクからすれば“常識”に固定化されることで発想が狭まる父ジョセフのような人間が薄っぺらく見えてしまうかもしれない。

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■お互いの“男のプライド”を認め合えることで、やっと“理想の親子”になれる!?

小さいころ、「父とはわかりあえない」と思ってしまうできごとがあると、大人と呼ばれる年齢になっても父子は不仲のままだ。

老いていくうちにプライドがますます育っていく父からしても、寄ってきてもらえなければ素直にはなれない。それに、昔は可愛く、甘えてきた息子が自分へ反抗し続ければまいってしまうだろう。

この記事ではもちろん結末はいえないが、劇中の偏屈な親子は、意外な景色を見せてくれた。

あまりに照れくさいので父子で観に行くことは薦めないが、観終えたあなたはきっと親子で飲みに行きたくなるだろう。

この作品がくれる余韻は父親に、息子に、電話をかける勇気をくれるはずだ。

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(文:小峰克彦)

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