死にたい……。
(※この表記は『死にたい』の検索でSEO上位にひっかかることを狙ったものではありません)
どうも、“永遠のオトナ童貞のための文化系マガジン・チェリー”編集長・霜田明寛です。
なぜいきなり、海に身を投げる直前の状況なのかって?
“永遠のオトナ童貞のための文化系マガジン・チェリー”が2017年3月をもって、オープン1周年を迎えたのですが、赤字なのです!
映画監督は岩井俊二監督から園子温監督にキム・ギドク監督、さらには宮藤官九郎さんにみうらじゅんさん、いとうせいこうさん、神木隆之介さんに千葉雄大さん、女性は小林幸子さんから森川葵さん、島崎遥香さんや紗倉まなさんまで……。せっかく、そうそうたる著名人の方々に登場していただいたり、寄稿していただいていて媒体としては充実の一途を辿っているはずなのに、これはマズイ!だって、WEB版のR25もなくなった理由が「収益化が難しい」だったもん!
そう、この10年以上ずっと言われ続けてきたようにWEBでお金を儲けることは難しい。だが、なくなることだけは避けなければ……!
しかし、私・霜田は就職活動で内定がもらえず、大卒後4年間無職だった身。正直、この辺りは不得手な分野である。
こういうときは先輩を頼ろう!賢い人に聞くのが一番!
ということで、今回は“チェリーオープン1周年記念行脚”と称して、ネット界の賢人たちに霜田が直接会いに行き、アドバイスを乞いにいくことに!
お話を伺ったのは個人で活躍する人から、サイバーエージェントという大組織の一員、さらには大学教授やメディアプランナーまで。
ごく個人的な相談から始まったが、さすがネット界の賢人たち。
結果
・2017年のネットメディアに求められること
・ネットでウケる人、嫌われる人の差
・2017年現在、ネットで金を稼ぐための心得
などなど、別にメディアのことなんて興味はなくても、少しでもネットを活用しようという人には、大いに役立つ方向に話は広がった!
ということで、2017年ネット業界サバイブの旅、いってみよう!
まずは一人目、この方。セブ山さん!
イベントの共演者として呼ばれたのをいいことに、お酒を酌み交わしながら、色々聞いてみることに!
<プロフィール>
●セブ山:インターネット文化人類学者。『オモコロ』での『つぶやきだけで個人を特定できるのか?』といった実験・検証型の記事で人気を博す。昨年は、LINEスタンプ『ヒモックマ』も話題に。2017年2月には初の著書『インターネット文化人類学』が発売された。
霜田:まずは率直に、チェリーというメディアへのアドバイスをお願いします!
セブ山:僕なんか全然偉そうなこと言える立場ではないんですが、タダ酒を飲ませていただいて上機嫌なので勢いで言っちゃいますが、まずね、霜田さんが、「童貞」を看板に掲げたメディアを始められたのを見て、僕は「茨の道を歩み始めたな」と思ったんですよ。
霜田:どういうことでしょうか……?
セブ山:例えば、僕が女の子をいやらしく口説いているLINE画面のキャプチャ画像を流出させられたとするじゃないですか。
霜田:はい、最近よくある怖いやつですね。
セブ山:そうなった時、それを見た人たちの反応って「まあ、セブ山なら仕方ないよね」「ゲスいセブ山らしいや」っていうリアクションになると思うんですよ。
霜田:たしかに、失礼ですが、セブ山さんのキャラクターに合っているというか……。
セブ山:そうなんです! そこなんです! 僕が20代の女の子にデレデレしながら口説いているLINE画面が流出したところで、ただ「あっそ」で終わるんです。
霜田:なるほどなるほど。
セブ山:じゃあ、もし「童貞」を看板に掲げて、「僕らはオトナ童貞の味方だよ」という面(ツラ)をしていたメディアの編集長が、女の子とウハウハでセックスざんまいだったら、どうなりますか?
霜田:ど、どうなるんでしょうか…?
セブ山:
童貞を冒涜した大犯罪者として、世界中のモテない男たちから妬まれて大炎上! 神聖な「童貞」を金儲けと女喰いの道具として使っていた罪で、キンタマを切り落とされた挙句、それを焼酎につけた「タマ酒(たましゅ)」を読者プレゼントさせられますよ!
(片玉ずつ計2名様)
霜田:ひいい……! そんなに重い罪なんですか…?
セブ山:それほど、「童貞」を扱うのは難しいってことです。インターネットの住民はナイーブなので、「天上人の私が下々(しもじも)の皆様のためにわざわざ降りてきてあげましたよ」という感じが出たら、一気に叩いてきますので、どうかお気をつけて。
霜田:は、はい……。
セブ山:とはいえ、「チェリー」のコンセプトをよく読むと、本当の童貞ではなく、“童貞をひきずっている人”を対象にしているので、そこはまだ大丈夫だと思います。ただ、霜田さんがもし、モテ始めたとして、それが垣間見えてしまった時は……。
(ここで、同行していたチェリーのライター・柴田ボイが耐えきれず割り込み。)
柴田:霜田さんはFacebookをたどると、ミスキャンとのスリーショットとかありますからね。
セブ山:内部の人にこう思われてるワケですから、既に黄色信号ですよ。
霜田:くうぅ~~。正直、モテてはいないんですが、女子大生と接するのをやめた方がよいんですかね。
柴田:それは続けてください! 霜田さんが女子大生に会わなくなると、担当されている『女子大生水着美女図鑑』が終わってしまうんで! (※霜田はフライデーで『女子大生水着美女図鑑』という女子大生を水着にする連載を担当している) あの連載、僕毎週、フライデー買って一番最初に開きますから。普通のグラビアって完成されたスタイルや顔の人が出てくるじゃないですか。でもあの連載は絶妙なラインの女子が出てきて、ヒップショットもあって、私服もあるから妄想も掻き立てられ……。
(この後、5分ほど『女子大生水着美女図鑑』の良さを熱弁)
霜田:……あ、ありがとうございます。
セブ山:すごい熱量ですね、ボイさん。童貞メディアを掲げるなら、もっとこういったボイさんのような強力な童貞を押し出してみても面白いのでは? 今、メインで書いてる人は、みんなちゃんとしてるじゃないですか。もっと、ちゃんとしてない人が書いてもいいと思います。
霜田:確かにボイさんの「ラーメン屋にひとりで入れなかった」話も、引きこもりだったけど『君の名は。』の、先輩のセリフに「外に出なきゃ」って思った話もめっちゃ面白いんですよ……。
セブ山:そんなボイさんが、ひとりでラーメン屋に入るまでの過程を記事にしたら、面白そうじゃないですか。 苦悩や葛藤、そして勇気が混ざって、いろんな人が「俺もがんばろう!」と思える記事になりそう。
霜田:なるほど。いいかもしれませんね。ついついサイトのコンセプトと女子大生の話になってしまいましたが、同じく重要なのはマネタイズ!ということで、次は、金の儲け方を教えてください。
セブ山:僕に金儲けの話を聞いても無駄ですよ。
霜田:どうしてですか?
セブ山:僕は絶望的に金儲けの才能がないからです。
霜田:え、そうなんですか…?
セブ山:今のインターネットで儲けているメディアや個人の多くは「PR記事」の制作で潤っていますよね。企業にお金をもらって記事広告を書く。この流れは2015年くらいから盛り上がってきたんですが、僕はそのタイミングで飽きちゃって、記事広告のご依頼をいただいても基本的にはお断りしているんですよね。昔からお世話になっているオモコロ等から執筆担当の依頼が来たら書いたりはしていますが、新規でオファーいただいても全部無視しています。
霜田:けっこういい金額が動いているんじゃないですか? PR記事って。
セブ山:そうだと思います。今、けっこう記事単価は上がってるんじゃないですかね。
霜田:書いたらいいじゃないですか。
セブ山:そこが僕の金儲けの才能がないというところですよね。自分が乗り気じゃなかったら、一切、筆が進まないんですよ…悲しい…。俺だって、いっぱい書きたいよ……。でも、記事を書くよりも、酒を飲んでいる方が楽しいから……。
霜田:ダメ感に親近感が湧いてきます。
セブ山:でも、まあ、今はそれでもいいかなとは思っているんですよ。
霜田:どうしてですか?
セブ山:僕自身は、PV(ページビュー)を追いすぎると、新しいものを作れなくなってしまうタイプなので、10年後、20年後もアホなことをやっているために、今はそれでいいかなと開き直っています。だって、やれって言われてもできないし、嫌々やってもいいものは書けないし。 あ、一応言っておくと、PV(ページビュー)とは、その記事がどれくらいの人に読まれたのかという数字です。テレビでいうところの視聴率ですね。
霜田:たしかに、自分が潰れないように、自分ができることと、できないことを知っておくことは大切かもしれませんね。
セブ山:……と偉そうなことを言いましたが、僕の去年やった中で一番ウケたのは、「ヒモックマ」というヒモ男が女性に送る専用LINEスタンプですからね。カスですよ。でも、そういうカスの先に、10年後、20年後の未来があると信じて、コンテンツ作りを大切にしていったら、きっとその先にマネタイズがある……と思いたいですけどね。
霜田:僕も思いたいです……! ありがとうございました!
<セブ山さんの教え>
日々のコンテンツ作りを大切にした先に、きっとマネタイズがある(あったらいいな)
ということで、きちんとコンテンツを作った先にマネタイズがあるという未来予想図を描いてくれたセブ山さんに続いて、もうひとり、楽しそうに仕事をしている個人のもとへ……!
ネット業界サバイブ行脚。続いては、Twitterで人気のアノ人や、大学教授にお話を伺います!中編はこちら!
(取材・文:霜田明寛)